蔵前バイオ通信 第33号 2015年03月03日

*******************目次 ***********************
1.K-BETSの話題
2.竹炭シンポジウムの新たな展開
3.バイオチクのナノファイバー
4.杉浦氏がエコカップジャパンで優秀賞を受賞
5.新会員の紹介・・若い林業家近藤亮介さん
6.燃料電池車の話題
7.保田さんご逝去
8.ホームページの内容と更新状況
9.世界のバイオマス情報
*************************************************
1.K-BETSの話題
(a)当NPOは7年間認定NPO法人として国税庁から認定を受けていましたが、このたび3月で認定の期間が終了して来年度から東京都の所管になります。認定NPO法人ではなくなります。ひきつづき以前と同等の運営・管理を維持し、機会があればまた認定を受けることにしたいと思いますのでご理解をお願いします。
(b)K-BETS知恵袋で最先端の専門用語を分かり易く解説しています。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=944
「リグニン」、「ポリ乳酸」、「パワー半導体」、「超臨界」など。リクエスト頂ければそれぞれの分野の人に解説してもらいます。
2.竹炭シンポジウムの新たな展開
11月14日の竹炭シンポジウムの後モニターを募集したところ14名の方の賛同を得て竹炭普及会を結成しました。第1回目は顔合わせを含めて活発な意見交換になりました。第2回目は2月28日に行いグループ(竹炭販売、野菜栽培、果樹園、手賀沼浄化)を作って進めることになりました。シンポジウムを全国的に展開しようと助成金の申請を行いました。東京近隣、茨城、静岡・愛知、山梨、岡山などの関係者との賛同を得ています。また福島県南相馬市に津波にさらわれた松林の中に1本だけ生き残っている奇跡の松がある。この木の周りに竹炭を生めて蘇生をはかるトライアルを行いました。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=1032
篠﨑理事の学友で岡山県で電気店を経営されている村川荘太郎さまから多額の寄付を頂きました。バイオマスエネルギーの活用に賛同しての支援です。
3.バイオチクのナノファイバー
最先端の技術であるナノファイバーについてはナノテク2015展でも多くの関連技術が紹介されています。中越パルプ工業(株)の技術の中核になっている九大近藤教授の講演もありました。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=1050
当バイオチクチームはナノ繊維を作るに最も適した竹材を提供すべく特性の把握や供給ルートの構築を始めています。中越パルプ工業(株)が皆様に技術の紹介とサンプルの提供をしています。
http://www.chuetsu-pulp.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/01/20150206CeNF.pdf
4.杉浦氏がエコカップジャパンで優秀賞を受賞
会員のラジアント社、杉浦社長がエコカップジャパン2014の「東北復興に関する提言」で「地中加温システム」が評価され優秀賞を受賞しました。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=1025
5.新会員の紹介・・若い林業家近藤亮介さん
Bioフォレステーション株式会社の社長で、箱根地区に約900ヘクタールの山林を保有し、材の生産・流通およびチップ流通を事業とする会社である。http://www.mori-biz.com/
まさに私達が取り組んでいる木質バイオマスの集材を現実に事業として取り組まれている若い意欲ある方が入会なされました。ある会合で進藤理事との会話が発端で意気投合、早速近藤社長の講演会を企画しました。その内容が素晴らしく、今後Kシステムなど集材に関して情報交換しようということになりました。NHKで木質バイオマス発電で山の木が無くなってしまう心配をしていたが、現実は切り捨て放置の間伐で、山から木が下りて来ず投資した発電所が動かない懸念の方が強い。講演会の内容について
http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=1061
6.燃料電池車の話題
最近の技術情報の話題は燃料電池車。トヨタが製造開始した次世代の車として水素ガスを燃料にして走る車が脚光を浴びています。難しい課題が多数あって大衆車となるにはこれからの開発陣の努力と時間がかかるものと思われる。中でも水素ガスの安全性に関しては徹底した取り組みをお願いしたい。様々な意見はhttp://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=1042
7.保田さんご逝去
病気療養中の前理事の保田力(74歳)さんが2月15日午後ご逝去されたとの連絡が入りました。故人はバイオマスのエネルギー利用、とりわけNFK(株)殿の小型ガス化炉の実用化とKシステムの推進に熱心に取り組まれました。当会にとってかけがえのない方を亡くしました。ご冥福をお祈り申し上げます。
**********8.ホームページの更新 **********
吉澤有介が次の本の要約を掲載しています
(1)「アナザー人類の興亡史」金子隆一
ホモ・サピエンスが生き残るまでの長い人類の歴史
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=403
(2)「先送りは生物学的に正しい」宮竹貴久
生物は遺伝子を残す事だけでなく環境に合わせる力を持っていた
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=403
(3)「近代の呪い」渡辺京二  豊かになった反面格差拡大とナショナリズムや自然環境を越えた経済活動の弊害がある
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=404
(4)「縮小都市の挑戦」矢作 弘
デトロイトとトリノを取り上げて衰退した原因と現在の取り組みを紹介
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=405
(5)イギリスでできて日本でできない事象  荒川英敏レポート
日・英間の様々な違いを取り上げて比較。消費税英20%と高いが食品とか交通は無料。日本の縦割り行政ではこれは困難など。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=1058

**********9.世界のバイオマス情報 **********
(1)藻が注目を浴びるバイオ燃料
第二世代バイオ燃料の2014‐2020の市場予測によると、今後は藻が有力な原料となり、最大用途も現在のバイオジーゼルからエタノールに変わる。現在は世界の生産設備の半分以上を持つアメリカの実績がいちばん多いが、ヨーロッパ がこれを追っている。アルゲノールはインドで、数サイクルの試験運転を支障なく終わっており、藻バイオ燃料の生産を始める。計画では主要4種類の燃料ともリットル$4.9で販売する。また、Algenol社のプロセスで作ったエタノールが、藻エタノールとしては初めて、再生可能燃料標準に基づくCO2排出削減効果のあるバイオ燃料として、米環境保護局からの認可を得た。
基礎研究分野では、日仏の共同研究で、日本で発見されたFistulifera solarisという藻は多量の油の生産と急速な成長を同時に行う特徴ががある。反面OPECによる石油生産レベル調整の影響による化石燃料の値下がりは、クリーンエネルギー技術の開発推進、木質の廃棄物を利用したエタノール、植物油を原料とするジーゼルなどの量産化の妨げ、更に値下がりが続くとバイオ燃料の利用の阻害要因となる可能性がある。
(2)木材に含まれるリグニンの研究
ウイスコンシン大学で、木材に含まれるリグニンを石油に代わるポリマーの原料として使う研究が進んでいる。リグニンは生物圏に存在する有機炭素の30%を占めていながら、ほとんど利用されていなかった。ある条件下で処理すればリグニンを各種ポリマーの原料として使えるめどがついた。
一方、木材の性質をコントロールする基礎研究も進んでいる。セルローズ、ヘミセルローズ、リグニンの3種の高分子の細胞壁の厚さをコントロールする、3種類の遺伝子制御ネットワークを利用して3種の高分子生成プロセスの効率を遺伝子操作で改善できる可能性がでてきた。

*****************************
img_2838.JPG

雪国ではまだこのような雪
*****************************

カテゴリー: メルマガ:蔵前バイオ通信 パーマリンク