蔵前バイオ通信 第54号 2018年11月15日

K-BETSメールマガジン第54号をお届けします。

今回も、私たちの活動状況と自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。是非ご活用ください。
私たちの活動に興味をお持ちの方の参加をお願いします。

*******************目次 ***************************

  1. 活動トピックス
  2. 技術情報検討会(吉川)
  3. 事業化推進検討会(岸本)
  4. アルジェ研究会(廣谷)
  5. 熱エネルギー研究会(進藤)
  6. 林業システム研究会(篠崎)
  7. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
  8. 竹林プロジェクト(篠崎)
  9. バイオチクプロジェクト(渡辺)
  10.   ホームページによる情報発信

 

1.活動トピックス
      ・10月23月「ポーラス竹炭シンポジュウム ㏌群馬」開催
参加人数は昨年の「竹林整備シンポジウム」とほぼ同数でしたが、参加者の竹炭に関する関心度が高く、後日デモ依頼が舞い込む状況でした。
それに対応する予定です。
NPO法人フォレストぐんま21主催、法人竹もりの里、法人蔵前バイオエネルギー両NPO法人支援により群馬県憩の森 森林学習センターにて開催しました。

  • Kシステム、2018年度林業機械展(11月18日、19日)で紹介
    開発を進めて来たチェーン式連続集材装置を東京都あきる野市開催される林業機械展、オカダアイヨン殿のブースにおいて、山梨の(株)日建殿と共同で、ビデオとパネルを使用して紹介します。多数のご来場をお待ちしています。

 

  • 総会、10月例会時に講演会、11月例会時に勉強会を開催しました。

 

2018102日 講師 中根周歩先生広島大学名誉教授 

 竹炭の土壌改良剤としての効用(屋上緑化への応用)

炭の量、配置など精密な実験データをもとに、いかに竹炭が屋上緑化に有効かを分かり易く講演いただきました。講演会の後も九十九里海岸防風林の松枯れ対策(樹勢回復効果)など、メールによる支援を受けています。

 森林衰退と大気汚染(マツ枯れ問題に寄せて)

日本全国広くみられるマツ枯れの原因は松くい虫である、という定説に疑問を持ち、現場に立ち、状況を観察、把握し、さらに再現実験を通して真の原因は、工場等からの大気汚染物質であると突き止め、松枯れ衰弱木には、薬剤注入ではなく土壌改良剤による再生効果を実証された素晴らしい講演でした。ノーベル医学生理学賞の京都大学の本庶佑特別教授の「教科書に書いてあることを信じない、疑うことが大切である」に通じる先生の姿勢でありました。講演の後、懇親会にも出席いただき、大いに環境問題を論じました。

2018年11月6日 講師 宮地利彦(蔵前バイオエネルギー常務理事)

「洋上風力に舵を切った台湾」 ― 台湾海峡の洋上発電開発 ―

台湾は日本と同様エネルギー資源がなく、ほぼ100%輸入に頼っています。民進党政権になって、2025年までに原発廃止を打ち出し、2020年までに、太陽光、洋上風力の再生可能エネルギーを20%に引き上げる計画を着々と進めています。日本と異なるのは、台湾海峡という世界屈指の着床式洋上風力発電に適した地域を有していること、台湾はこの有利な条件を最大限活用し,洋上風力発電事業者の選定を2018年6月までにすませました。選定された事業者は欧州で実績を持つ事業者が主ですが、この中に、日立と三井物産がプロジェクトのメンバーとして参画しています。日本が海外に事業を広げるきっかけになると期待されています。

今年9月に台湾海峡に浮かぶ澎湖島スタディツアーに参加し、海峡特有の強い風を体験してきた講師による、台湾海峡の強風を感じられるビデオを鑑賞し、理解深めることができました。

 2.技術情報検討会(吉川)

太陽光・風力による再生可能エネルギーの利用拡大に向けたエネルギー蓄積技術について検討しました。変動電源である再エネを系統接続し電力需給調整を平準化するには、過剰の再エネ電力を一時的に蓄積し出力制御をするのが有効です。蓄積手段としては、揚水・圧縮空気・フライホール等の力学的エネルギー、温水・蓄熱媒体等の熱エネルギー、超電導コイル等の電気エネルギー、蓄電池や水素生成等の化学エネルギーがあり、蓄積容量、蓄積時間、変換効率などにより用途が分かれます。蓄積容量が大なのは揚水による発電ですが、今後、蓄電池は、再エネ発電所での組み合わせで、大容量化・コスト低減が期待されています。

3.事業化推進検討会(岸本)

ポーラス竹炭の用途開発については当法人内でも従来より話題となっており、千葉県内の農業法人の訪問等行い調査を行っています。当検討会で今回改めて竹炭の市場での用途についてブレインストーミング的な検討を行いました。
①土壌改良剤、
②植樹活動に活用、
③竹炭入りポット苗の販売、
④海域環境の活性剤/浄化材、
⑤屋上緑化の材料等のアイディアが出されました。
さらに今後調査・検討を継続することになりました。

 4.アルジェ研究会 都市ゴミは油脈のあるバイオ廣谷)

都市ゴミは食べ残しの肉、魚、野菜、ご飯等は皆バイオです。又新聞、紙、本等もバイオであり、植木の枯葉もバイオです。日本で都市ゴミ処理は極めて上手くやっていますが、それは綺麗にする事であって、エネルギー利用から見ると、都市ゴミは発電に使用しているが、発電効率は5~20%でしかなく、有効利用には至っていません。都市ゴミは「次世代航空機燃料シンポジウム」(2015.7.8)メンバーだけがバイオであると気が付いた。
都市ゴミを加熱して合成ガスを造り、その後FT合成しバイオジェット燃料を造る。米国、英国で進めていると聞いている。日本の都市ゴミは6000万トンと言われています。我が国でも製造を具体的に進める企業が現れる事を期待しています

5.熱エネルギー研究会(進藤)

企業で使用する電力の100%を再生可能エネルギーとするRE100(Renewable Energy100%)の国際的な企業連合が注目されています。2018年8月では欧米企業を含め140社が加盟し、アップルやグーグルなどでは太陽光や風力発電に投資し100%を達成しています。日本ではリコーや富士通など10社が加盟しており、2020年には50社になると予想されています。加盟企業はESG投資も見据え、約10年から30年掛けて段階的に再エネに切り替える計画です。但し、日本では、再エネの電力コストが欧米に比べが高い、送電網への接続容量制限、FITの国民負担増加などがあり、今後、再エネ導入の事業採算性向上が課題となります。

6.林業システム研究会(篠崎)

①第138回(9月27日)と第139回(10月25日)は通常通り田町CICで開催した。内容は7.と8.のプロジェクト報告の通りである。

②参加人数が減少気味であるが、報告と議論が活発になされた。

③竹の夢を見る会員がでてくるようになったので、「竹と私」のコーナーを設けたい。

7.Kシステム開発プロジェクト(米谷)

5月に、山梨県南部町で40度の急斜面で集材を実施した新型のKシステムVIIが好評で、11月18日(日)、19日(月)東京都あきる野市で開催される2018年度林業機械展に、オカダアイヨン殿のブースにおいて、山梨の(株)日建殿と共同で、ビデオとパネルを使用して紹介することになりました。多数の来場を期待しており、来場者からどのようなコメントがいただけるのか楽しみです。

8.竹林プロジェクト(篠崎)

①竹林関係のHP内容を充実するべく検討中である。

②ポーラス竹炭の拡販努力:土壌改良剤開発メーカーを狙う。

③竹の集材方法の改善実験結果:現在まとめ中であり、後日改良案を提示する予定である。

④FG21の「ポーラス竹炭シンポジウム」開催結果報告:約50人の参加があり、昨年の「竹林整備シンポジウム」とほぼ同数であったが、質問内容から判断して関心度が高まったことが推察された。展示方法についても工夫を凝らし、吸水実験を行ってポーラス竹炭の性質の理解を含めた。竹炭普及会には5人の加入があった。後日、デモの実施依頼があり、初めての経験として喜びに堪えない。

9.バイオチクプロジェクト(渡辺)

使い棄てプラスチックの投棄によって、海洋に残留する環境汚染が深刻化して、欧州では販売を禁止する動きが加速しています。日本でも重要な課題として、生分解性プラスチックの実用化が検討されています。当プロジェクトでは、これに【竹ナノセルロース】を添加した、新素材の開発を進めてきましたが、来年度には商品への利用が可能な段階になりました。また、脱石油系プラスチック製の商品化が、欧米の大手企業の参画によって、活発な事業活動として動き出しています。単に「エコ」を強調するのではなく、新たな経済成長の起爆剤となり、利益になる事業として捉える動きを、『ニュー・プラスチック・エコノミー』と呼びます。これは「壮大な挑戦をともなうイノベーションの動き」として主流になりつつあります。よろしく、ご理解とご支援をお願いします。

 10.ホームページによる情報発信

主に会員吉澤有介が要約した一般図書。および会員の研究ノートです。

〒108-0023東京都港区芝浦3-3-6

キャンパスイノベーションセンター801号室

ご質問等は本メルマガの返信メールでお寄せください。

mr_nakane
10月2日例会時 講演会 広島大学名誉教授 中根先生

 

 

 

 

 

 

 

 

10月2日例会時 講演会 広島大学名誉教授 中根先生

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