リグニンとは何か

最近リグニンの話題がバイオマスの世界ではたくさん取り上げられていますがどんなものかを簡単に説明します。

植物はセルロースと呼ばれる炭水化物(多糖類)で細胞壁が作られています。セルロースは繊維の主成分で植物質の3分の1を占めており地球上で最も多い炭水化物です。

綿など柔らかく小さい植物はほとんどがセルロースでできています。

木、竹、葦やわらなど上に伸びている大きな物体はリグニンの働きで立つことができています。ちょうどベニヤ板を作るようにセルロースやセミセルロースの細胞壁を接着する働きをしているので上に伸びしかも剛性を持つことが可能になっています。木などには20~30%のリグニンが含まれ、芳香族分子化合物でできています。木の種類などによって違うようで構造式などは複雑で盛んに調査が行われています。

製紙工場ではパルプよりセルロースやヘミセルロースの繊維を取り出し繊維を作っていますがこの難分解性廃液の処理には苦労しています。黒液と呼ばる廃液は熱源として利用されています。しかし木の組織は外周の細胞壁の部分を残し中心部分はほとんどが死細胞になってしまっているのでこのリグニンが支えまた腐朽や食害への抵抗性持つという重要な役割をもっています。
現在注目されているのは20~30%も占めるこのリグニン資源を何とか活用しようという動きです。解明が進んできて捨てたり、燃やしたりするだけでなく資源としての用途も一部見えてきたところです。              記 2014年8月5日 福島 巖

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