蔵前バイオ通信 第32号 2015年01月06日

平成27年元旦 新年おめでとうございます
*******************目次 ***********************
1.新年に期待すること
2.小規模木質バイオ発電機の紹介
3.竹炭シンポジウムin千葉活動報告
4.竹の繊維をバイオプラスチックに
5.竹チップ利用のレンコン栽培
6.竹炭の土壌改良材としての特徴
7.新入会員寺田さんの紹介
8. ホームページの内容と更新状況
9. 世界のバイオマス情報
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1.新年に期待すること
豪風雨や場所によっては干ばつで天候が荒れ狂う自然現象が続いています。原発問題から国のエネルギー基本計画も定まらないまま時間だけが経過していきます。資源を多く持つ米国でさえバイオマス関連産業に真剣に取り組んでいるのに日本の場合は太陽光発電に偏ったあなた任せの投資をしています。しかもその特性上、発送電問題で制約がでています。世界の趨勢はバイオベース経済に移ろうとしているのに周回遅れで着いて行ってる日本、これでいいのでしょうか?
政治に左右されない長期を見通したエネルギー政策の哲学と数値を織り込んだ目標設定を早急にして欲しい。
今号のメルマガの話題は竹炭や竹繊維に集中しています。竹炭シンポジウムの後「竹炭普及会」に協力される方が十数名集まりました。会を通して活発な活動ができるよう期待してます。
活動の源は健康です・・・ストレスの少ない生活に、できたら切替えましょう。

2.小規模木質バイオ発電機の紹介
現在木質バイオマス発電所が国内各地で稼働を開始しようとしています。しかし数千kw以上の大規模のものばかりで間伐材や廃材を利用した小規模発電所の計画はほとんど見当たりません。しかし海外ではこの種設備がかなり活発に動き出しているようです。入手できうる情報を集めましたのでこれを参考に小型を検討してください。またK-BETS会員の中には詳しい人がいますのでご相談ください。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=983

3.竹炭シンポジウムin千葉活動報告
11月14日袖ヶ浦市の「里山センター」にてNPO3団体(里山センター、竹もりの里、K-BETS)主催の竹炭の会を開きました。参加50人スタッフ含め70人の盛大な会になりました。竹炭製造デモンストレーションは既存の無煙炭炉で燃焼実験を行い、開発中の大型炉を展示しました。竹炭の効率良い製造方法や竹炭を土壌改良材として使った時の状況などの話がありました。この運動を推進してくださるモニターを募集したところ14名の方の賛同を得て活発に販売推進や野菜など農作物の改善状況調査など行う事になりました。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=985

4.竹の繊維をバイオプラスチックに
竹材の新しい用途としてその強い繊維質をバイオプラスチックに生かそうと研究会が発足している。その一つの話題として竹を使った歯ブラシの世界で注目を浴びている「ファイン(株)」の清水直子社長にお話を伺いました。幼児や身障者、高齢者など普通の動きができない人のために製品開発を行っています。竹歯ブラシなどは化学物質に過敏な人に好評を得ています。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=989

5.竹チップ利用のレンコン栽培
先般の竹炭シンポジウムに参加された千葉県長生郡長南町坂本にあるレンコン栽培の篤農化、金坂哲宏さんと懇談した時レンコン畑に竹チップを投入することですばらしい成績を上げていることを知りました。窒素肥料を使うと浮草がはびこり、アブラムシの被害に悩まされていたが竹チップの利用で問題が解消した。製品の品質も良く竹チップの代金以上のメリットを得ているとの報告がありました。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=993

6.竹炭の土壌改良材としての特徴
静岡大農学部の若い南雲先生をお呼びして表記演題の講演をして頂きました。竹の特徴としてはアルカリ性であること、成分としてカリウムの含有率が高いことが特徴です。窒素やリンはほとんどなく肥料としての機能は期待できない。しかし竹繊維の微細な空間に住み着く微生物の働きにより窒素成分増加の期待もあるので更にこのような観点からの研究を進めて頂きたいとお願いしました。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=1013

7.新入会員寺田恵子さんの紹介
篠崎理事の高校(愛媛県松山)の先輩である寺田恵子さんが入会なされました。彼女が生協に勤務されていた時に竹炭の販売をしたこともあったとか。大学では心理学を学び現在は腹話術の人形「ケンチャン」を使って5歳位の子どもを遊ばせる活動をなさっています。K-BETSの活動に興味をもち参加することになりました。

**********8.ホームページの更新 **********

吉澤有介が次の本の要約を掲載しています

(1)「あなたのなかの宇宙」ニール・シュービン著
壮大なスケールで地球の誕生と物体を構成している原子の関係を説明してくれます。快適に暮らせるのは後10億年先まで。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=392

(2)体を使って心をおさめる「修験道入門」田中利典著
廃仏毀釈の結果関心の薄れた修験道が世界遺産に指定されてから関心が高まっている。現代社会を救える拠り所となり得るか?
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=393

(3)「キノコの教え」小川 眞著
キノコは日光を頼らず他に寄生して栄養を分けて貰っている。放射能を吸収するといった特別才能も持っている。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=394

(4)「地震と火山の日本を生きのびる知恵」鎌田浩毅著
2040年までに巨大地震や噴火が発生する。人類はそれを乗り越えてやってきている。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=395

(5)「これから食えなくなる魚」小松正之著
世界中の人々が魚を食べるようになってから漁業の世界で日本の地位が転落した、新たな漁業政策の転換しないと食べられなくなってしまう。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=398

**********9.世界のバイオマス情報 **********

(1)バイオ燃料分野
低コストの量産が危ぶまれていたセルローズエタノールがアメリカ、スペイン、イタリア、ブラジルの多数の工場で量産化が始まった。一方、KiORの倒産を機にバイオ技術に対する批判、それに対する反論もある。しかし100年かけて今の市場を作った石油に対抗していくためにはまだ多くの課題が存在している証である。

(2)バイオベース経済
ヨーロッパにおけるバイオベース材料と化学品分野は一時期の停滞から回復し、生産工場建設投資は去年より28%増加。アメリカでもバイオベース化学が徐々に拡大している。米農務省の推定では世界のバイオベース製品が2015年の化学品市場の10%以上を占め、2020年にはバイオベースプラスチックの世界の総生産は345万トンに達する。新しい産業機会の発足で求人も万規模で増え、バイオベース産業は農村部に化学を中心にした製造業と雇用を生みだし、第一・二次産業の合体が実現する。
注)バイオベース経済とは化石燃料から作り出されていた化学製品を生物資源(穀物や天然油脂など)から作りだし持続可能社会を実現しようとする構想。

(3)政策・方針
温室効果ガスの排出が増え気候変動がさらに活発化する中で、COP20が会期を延長して終了した。国別の活動計画の提出期限は今年3月末で、多くの国でクリーン技術と再生可能エネルギー技術の開発・利用が活発化すると思われる。再生可能エネルギーの普及を図る国際機関の理事長が、日本の電力問題と製造業回復の期待を込めて、日本は再生可能エネルギーに邁進すべきと忠告した。

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