世界に残る馬による木材の運搬 2012年3月20日 メール交換

福島さん (日本に1人の英雄が必要との文章に対する返答)大変興味深く拝読しました。

ハンニバルはまさに天才的なリーダーでしたね。塩野七生の「ローマ人の物語でも、このお話はひときわ迫力のあるところでした。歴史に学ぶとヒントがたくさん得られます。最近は社会人や学生に世界史の人気が高まっているそうですが、政治家にこそ歴史をしっかりと読んでもらいたいものです。ありがとうございました。

 なおこれは別件ですが、先ほどのBSのテレビで、岩手県遠野の青年が馬による林業を復活させた話を見ました。馬と一緒に人工林に入り、伐採しておいた原木を雪の中で引きおろします。かなり太い原木ですが、馬は45本まとめて引いていました。馬搬という古くからの集材法で、作業道も要らずなかなか効率的です。見たところその動きはボートウィンチとそっくりの感じがしました。今は馬と一緒に海岸の気仙沼まで出張して、海岸近くの山から集材して復興に貢献しているそうです。(住友林業の提供) どなたかご覧になったでしょうか。      吉澤有介

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

吉澤さま私は昨年馬で木材を引き出している映像を見ています。確か遠野の千葉家と関係があったように記憶していますが?馬を飼うことに掛かる費用が大変だと言っていました。以上 福島
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

遠野と言えば曲り家で有名ですね。
 旧盛岡藩領、特に盛岡市周辺や遠野盆地を中心に多く見られる、母屋と馬屋が一体となったL字型の住宅で、一般的には東側が台所で、南側に馬屋が突出する。  馬屋の屋根には破風があり(入母屋)、かまどや炉でたく煙をはそこから排出され、このため馬の背や屋根裏の乾し草を乾かすことができる。南部曲り家は、(1)寄せ棟が多い、(2)平入り(長方の家屋の長径の側に入口がある)である、(3)棟(屋根)は母屋より馬屋が一段と低い、(4)曲がりの部分は母屋より小さく、馬屋になっている、などの特徴がある。  こんな生活をする事により人と馬との一体感が生まれる訳ですが、今時は経済的な負担だけでなく、そのし尿処理とか普段の手入れとかが大変だと思います。       阿部英二郎
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

英国から届いた情報 遠野市の馬搬の話は大変興味深いですね。と申しますのも223日付けのイギリスの新聞に次の様な記事掲載されていました。 「英国馬搬協会はあなたの助けが必要」と言う見出しで、サブタイトルが「馬搬を担う馬方の訓練のため寄付をお願いします、寄付された方の中から抽選でモルガンカーが当たります。」となっています。 記事の概要はイギリスの100年以上の歴史を持つ手造りのカーメーカーモルガン(Morgan)と英国馬搬協会によって設立されたBritish Horse Loggers (BHL) Charitable Trustが共同で若い馬方の訓練費用を集めるためです。3年間の一人当たり訓練費用は30,000ポンド(約420万円)かかるそうです。 一口10ポンドからで、抽選日は今年の9月末です。 フレームや装飾に木を使った1910/1920代に一世をふうびしたMorgan Classic 3 と言う3輪のスポーツカーを100年ぶりに再生産するにあたり、モルガンが一役かったわけです。年々、House Loggers(馬搬)のなり手が減っており、このままでは昔からの森林の管理を支えていたHorse Loggersと言う職業がなくなるのではないかと言う危機感からで、かなり気合が入っている様です。
英国馬搬協会のホームページを見るとパトロンはチャールス皇太子です。   英国馬搬協会のURLは http://www.britishhorseloggers.org/index.htm   
 英国ば搬協会チャリテイトラストの
URLhttp://www.britishhorseloggerscharitabletrust.org/

img1352.jpg ちなみに英国のHorse Loggers(馬搬)の状況について、英国森林局(Forestry Commission)のホームページを調べたところ、スコットランド版に、ちょうど1年前にEnglandScotlandとの境目のスコットランド側の地方をBordersと言いますが、ここでのHorse Loggersのデモストレーッションに関するイベント案内のニュースリリースの日本語訳を参考までに添付します。オリジナルのURLもご参照下さい。http://www.forestry.gov.uk/newsrele.nsf/WebPRByCountryLang/D5DE881404F20A958025788F00319693
                   
以上  荒川: ロンドンにて 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
はるばるロンドンからのコメントと、記事の紹介まことにありがとうございました。
実はこの遠野馬搬振興会の若い馬方が、昨年に英国の馬搬コンペのシングル部門に出場して優勝しています。
その関連情報をお届けしましょう。たいへんな快挙でした。今年も出場するそうです。皆さんもどうぞご覧ください。http://horseridingclub.cocolog-nifty.com/stable/2011/09/post-5607.html     http://twitter.com/#!/tonobahan http://www.britishhorseloggers.org/pages/latestnews.htm 
             吉澤有介

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

いや、遠野の若い馬方さんが英国のコンペで優勝したとは知りませんでした。すごいことですね。このような快挙を日本のマスコミは取り上げたのでしょうかね。 今年も出場すると言うことなので、私の滞在中であれば、見学に行きたいと思い、いつ行われるか問い合わせたところ、年次総会の行われる週の週末だそうですが、まだ正式な日程は決まっていないとのことでした。昨年が5月だったので今年も5月かもしれませんね。 英国馬搬協会(BHL)のホームページを読めば読むほど奥が深く、他の国との連携も取っているようですね。イギリスは日本と反対で国土の70%が平野部で山間部は30%、私の知る限りでは、スコットランドやウエールズに山が集中していますが、標高も1300m位でいずれも荒涼としてあまり森を見かけませんが、確かに都市部から少し離れると豊かな森林が至るところにある感じです。きっとこれらの森林でHorse Loggerが活躍して森林管理に貢献しているのではと思われます。ところで、もしチャンスがあればKシステムはどう思うか聞いてみたいですね。荒川 ロンドンにて
 

カテゴリー: 林業・農業 パーマリンク