動的平衡 -生命はなぜそこに宿るのかー  福岡伸一  木楽舎

動的な平衡
身体のあらゆる組織や細胞の中身は常に作り変えられ更新され続けている。
生きているというのはこのことで「動的な平衡状態にあるシステム」である。

このネットワークの一部を他の部品と入れ替えたり局所的な加速を行ったり
することは効率を高めるかに見えても結局は平衡系に付加を与え、流れを乱
すことになる。

遺伝子組み換え技術は期待されたほど農産物の増収にならず、臓器移植は延
命医療になっていない。

生きていること
「動的な平衡」によって「エントロピー増大の法則」と折り合いをつけるこ
とである。
機械的な動きは直線的であるが生物は非線系で渦巻きの意匠にシンボライズ
される。
生命と自然の循環性の上に成り立っている。

ミトコンドリアとは
細胞の中にあるミトコンドリアの役割は酸化によってエネルギーを産出する
ことである。1つの細胞の中に数千ケを内蔵している。
常に活性酸素にさらされているので老化と関係がある。

ミトコンドリアは細胞に寄生する別の生命体である(この体内にはDNAを
もっている)。太古では自立的な細菌であったが大型細胞に捕らえられて共
生関係を構築した。

酸化能力でエネルギーを作って宿主に供給し、宿主は体内に留め栄養を与え
ている。

ミトコンドリアのミステリー
ミトコンドリアから母系をたどることができる。卵子と精子が合体するとき
精子からはDNAだけが卵子に入りミトコンドリアは入れない。

そのため子供のミトコンドリアは母系由来のものだけになる。
今の人類の調査をした結果アフリカに共通な太母がいて約16万年前に世界
に広がっていったことが定説になっている。

葉緑体も別の生物
植物の光合成を行っている葉緑体も細胞内に共生する別の生命体であること
が明らかになっている。

モンサント社の強欲なビジネス
強力な除草剤「ラウンドアップ」を販売しこれに耐性を持つ遺伝子処理した
大豆を売り出した。しかも一代限り(不稔性)の種である。
EUや日本で反対運動が起き世界戦略は失敗した。
生産者よりの戦略ではうまく行かないことが判明し、消費者サイドに立つビ
タミン強化の米とか未成熟トマトとか始めたが戦略的に成功とまでは行って
いない。

バイオテクノロジーは生物に不自然な負荷を与えるので生物は平衡を取り戻
そうとする「ストレス応答反応」を起こす。

        記    福島 巖

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