海洋の酸性化が進行

海洋関係の科学者のよる調査報告によると、海の酸性化が進み、海産物関連の生物
の生存に影響が出ている。
また、海水温度の上昇によって、海の藻の生育に影響が表れて、サンゴの死滅が
進んでいる。
どれも長期的な影響で海産物の大幅な減少と、海の生態系に大きな悪影響が
起きることは確実です。
それを食い止めるための方策としては、海中における藻類の生息を増進し、
海中の炭酸ガスを吸収させる割合を画期的に増加させる事が、重要な課題に
なってくると思われます。(渡辺雅樹)

<以下、参考情報>
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海の酸性化に警鐘、サンゴや貝類脅かす状況に 国連報告
2010.12.03  10:50
(CNN) 世界の海は過去6500万年の間には見られなかったペースで化学
変化が進んでおり、海洋生物の多様性や食糧安全保障を脅かしかねない状況に
なっている――。国連環境計画(UNEP)は2日、メキシコのカンクンで開か
れている国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)でこんな報
告書を発表した。
 報告書によると、現在、二酸化炭素(CO2)排出量の約4分の1が海に吸収
され、海の酸性化が進行している。酸性化が進むとサンゴの骨格や貝類の殻の形
成に必要な鉱物が縮小し、こうした生物の存続が難しくなる。
 世界の海の酸性とアルカリ性の度合いを示す水素イオン濃度指数(pH)は、
産業革命以来の平均で30%低下した。もし現在のペースでCO2の排出が続け
ば、21世紀末までには酸性度が150%高まると予測する。
 その直接的な悪影響は海洋生物や生態系全般に及ぶという。既知の魚類の約4
分の1は熱帯のサンゴ礁に住んで餌を取っている。サンゴ礁が成長できなくなれ
ば、海洋温暖化の影響とダブルパンチで甲殻類や貝類の生息できる場所も狭ま
り、食物連鎖全体に影響が波及する。
 さらに、世界で10億人以上が魚類を主要たんぱく源としていることから、食
糧安全保障上の危険にさらされる恐れもあるという。
 報告書では海の酸性化低下を食い止めるために検討すべき対策として、CO2
排出量の大幅な削減を急ぎ、海洋資源に依存している地域への影響を調べること
などを挙げている。

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サンゴ礁、過去最悪のペースで死滅へ インド洋と東南アジア
2010.10.21 12:00
(CNN) インド洋と東南アジアのサンゴ礁が過去最悪のペース
で死滅している可能性があることが、オーストラリア研究会議(A
RC)と豪ジェームズクック大学の調査で明らかになった。
 死滅率は一部の種で80%にも達するとされ、同大学の研究員ア
ンドリュー・ベアード氏は、98年以来最悪の状況だと語る。
 調査によると、インド洋のセーシェル諸島から東南アジアのフィ
リピンに至る海域でサンゴの白化現象が広がっており、地球上で最
も多様な海洋生態系を持ち、「海のアマゾン熱帯雨林」とも呼ばれ
る「コーラル・トライアングル(サンゴ三角地帯)」海域でもこの
現象が多くみられるという。
 研究者らは、数カ月前に高温の海水がインド洋に流れ込んだこと
が白化の要因と指摘。水温の上昇により、サンゴの栄養源でありサ
ンゴの色のもとでもある藻が減少したため、白化現象が起きている
という。水温は平均よりセ氏4度高いと報告されている。
 影響を受けた海域では、サンゴが海底を覆っている割合(サンゴ
被度)が50%から10%に減少する可能性があるとされ、長期的
に漁業や観光業に影響を及ぼすことが懸念される。
 ベアード氏は、「人為的な地球温暖化」がサンゴ減少の原因であ
るとし、炭素排出量を削減して大気の温度を保つ取り組みが必要だ
と訴える。
 同氏は報告で、「気温上昇だけの問題ではない。何千万人という
人々の生活や、この地域の安定にも脅威を及ぼしている」と述べている。

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