「河岸」「日本人はどのように森をつくってきたのか」

「河岸」川名 登著、法政大学出版局
「日本人はどのように森をつくってきたのか」コンラッド・タットマン著、築地書館

法政大学教授、江戸研究家の田中優子さんの推奨ということで、図書館で斜め読みしました。
江戸時代の川を介しての物流が具体的に書かれている面白い本です。
木材の搬出でも、奥武蔵、秩父多摩、三河など杉の植林は殆ど沢筋です。
戦後、林道が主体となり、この昔からの流れが断たれようです。
「河岸」を読むと、こんなところまで舟を入れたのかと驚くところまで舟が入っています。
地元の人の補修は大変だったろうと推察されます。

林道でも、放置すればすぐ同じ運命でしょう。
奥三河の沢筋を登りながら、昔はここを材木が流れ下ったという名残は各所に見られます。
可能な場所に日本文化としても復活する動きを願いたいものです。
もう一つ、田中優子さんの推奨で斜め読みしたのが、「日本人はどのように森をつくってきた
のか」コンラッド・タットマン著、築地書館、です。
江戸時代の森林伐採と流通について「日本では江戸時代に大規模な伐採がおこなわれて
いたのに、何故森林は荒廃しなかったのか」に迫っています。
日本の19世紀までの森林の状況を総合的に記述した本はこれ以外には無いとして外国で
は、広く日本の森林問題を論ずるときに引用されているそうです。
著者が日本人でないのが残念ですが、一読に値します。
      藤田 記

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