銃・病原菌・鉄 ジャレド・ダイアモンド       草思社

―1万3千年にわたる人類史の謎 ―
 人類は7百万年前、アフリカの地に始まった。
数十万年間はネアンデルタール人の世界であったが4万年
前から数千年間にクロマニオン人(原生人)に入れ替わった。
優れた技術と言語能力、知能を使っての侵略、殺戮によりネ
アンデルタール人は絶滅してしまった。

デルタール人たちは縫い針を持たず衣服を作れなかったので
寒冷の地には進出できなかった。1万3千年前に最終氷河期
が終了して現在につながる時代が始まった。

それから地域によって文明度に著しい差が発生してきた。
何故そうなったか?

人間の進出と同時に各地での大型動物は絶滅している。
しかしアフリカには残った。動物が人間の危険性を学習して
対処したためである。    

ニュージーランドのマオリ族とモリオリ族
1835年北島に住むマオリ族500人がチャタム島に住む
モリオリ族を襲い殺害奴隷にしてしまった。元々は枝分かれ
したポリネシア人。

マオリ族:技術や政治形態で複雑な社会を形成した。農耕作
業で自分の食物を作り少しずつ余剰の食物を貯蔵できるよう
になる。職人や族長、兵士などを養うことができた。
農機具や武器、工芸品を発達させていった。建物や砦なども
建造して非常時に対処できる基盤をつくった。

モリオリ族:狩猟採取民のままの生活を継続した。皆が平等
ではあるが毎日の生活に追われ蓄積が少ない。敵に襲われた
時に対応に苦しむ。

スペイン人とインカ帝国の激突
1537年ピサロ将軍がならず者集団2~300人を率いて
皇帝アタワルパに会見。カハマルカの地には8万人ものイン
カの軍団が警護していた。
ところが見たこともない銃声や馬、鉄剣に怯えて混乱し皇帝
も簡単につかまってしまった。国内は内乱状態になり、その
上天然痘が大流行して後継者も死亡し帝国は滅亡してしまった。

これは文字を持つことによって知りえた情報をたくさんスペ
イン側が持っていたのに対しインカは何の情報も持っていな
かったことが決定的だった。

白人とニューギニア人どっちが知能指数高いか
欧州社会:
文明社会では死因は疫病などで知や遺伝子関係には無関係で
ある。
子供はTVやラジオで受動的な過ごし方をする。
ニューギニア社会:
死因は殺人や部族間の衝突、飢えや事故など ― 頭の良い
人が生き残る。

子供どうしで会話や遊びを通じて刺激的な活動を行っている。
   ― 知能指数は文明の遅れた社会でも高い ―

食料生産と征服戦争
耕作民は出産間隔2年に対して狩猟民は4年。農耕社会は食
料の貯蔵で王国社会を築く余裕があった。大型家畜を陸路の
運搬に利用するようになり戦争も強くなった。

農耕社会の開始:メソポタミア三日月地帯BC8500年頃、
欧州西部BC5500年頃、米大陸BC3500年以降。

病原菌は家畜がくれた死の贈り物。天然痘やはしかは動物に
感染した菌の突然異変である。人間は抵抗力を付けて対処し
てきた。感染症の菌がはびこるのは充分な数の人口密集地帯
である。戦争で銃器に倒れる人間よりも伝染病で亡くなる人
が圧倒的に多く白人1人との出会いで国が絶滅してしまった
例がある。

文字を作った人と借りた人
文字を発明するのには大変な努力と苦労を要するので発生地
点は限られている。

多くの地方では借りてきて自分たちの文字に作り変えている。
最古の文字 シュメールの楔形文字 - BC 3,000年頃
           メキシコ先住民マヤ文字 - BC  600年頃
           エジプトの文字          ― BC 3,000年頃
           中国の漢字              ― BC 1,300年頃
筆記用具は先の尖った道具、から葦の先端を利用した尖筆な
どに変る。

シュメール人の発明:絵で表現した名詞を同じ発音の抽象名
詞として使うように改良。 
例 「鏃」=「生命」
文字は王や僧侶が書記に使わせ税として取り立てるための手
段であった。
 例「羊の数を記録」
狩猟社会には文字は無い、管理する余剰食糧がなく必要性が
薄かった。
インカ、ハワイ、トンガに文字無かった。

発明は好奇心の産物
エジソンの蓄音機:何に使うか不明だった。20年経ってか
ら音楽の再生に!

ソニーの半導体:米国の発明品だが真空管があったので使う
 必然性が無かった。
ソニーはそこに目を付けて技術の導入
 図り新製品を作った。

電球の発明もイギリスではガス灯全盛の時代で見向きもされ
なかった。

受容性の高低により技術は自己触媒的に発達する。

オストロネシア語圏
  インドヨーロッパ語を話す欧州人が世界各地に進出する前、
  広く分布していた民族はオストロネシア族であった。
  中国南部から台湾に移動しここが起点になって太平洋に拡散してい
  った。その背景には画期的なカヌーの発明があった。
  丸木舟だと横波を受けると転覆してしまう。浮き木を船体の両側に
  取り付けることにより安定性を増した。
  台湾からフィリッピン(BC3500)ボルネオ(BC300)太平洋各島
  (BC1600-1200)ハワイ(AC500)ニュージーランド(AC1000
  マダガスカル(AC500)と移動していった。
  これらの地域はポリネシア系の人種と言語により証明できる。

      記  福島 巖

カテゴリー: バイオマス, 気候・環境, 自然 パーマリンク

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