世界最大クラスの大規模洋上発電が部分稼動 (英国)2013年8月18日 荒川 英敏                      

  ロンドン便り その28

    87日、英国のエネルギー・気候変動省のマイケル・ファロン大臣が世界最大クラスの大規模洋上風力発電所が部分稼動開始を発表しました。

 英国の東部、サフォック州沿岸から26km沖合グレイターギャバードと呼ばれる洋上風力発電エリアで、洋上面積112k㎡に104基の洋上風力発電機が設置されました。更に2017年に完成予定の、隣接する洋上面積35k㎡のギャロッパー洋上風力発電エリアの36基が稼動すれば、この地域の洋上風力発電機は合計140基となります。その建設費用は£1.3B(2000億円)、合計の最大発電量は500MW、約53万世帯へのクリーンな電気の供給が可能となる大規模洋上風力発電です。

  英国は地理上、気象上、洋上風力発電のポテンシャルが大きく、将来総世帯の約半分の1,100万世帯の電気供給が可能と言われています。2020年には、30,000人の雇用と、毎年£7,000B(約1兆円)のビジネスを生み出し英国経済に貢献することにもなります。

 マイケル・ファロン大臣は、「英国は現在、洋上風力発電では世界のリーダーです。将来この分野で発電量を増やし更なる発展を期待している」と述べています。
ewin01.jpg
                         

    東部サフォック州沖合いに建設された大規模洋上風力発電所

ewin02.jpg  ewin04.jpg

固定式洋上風力発電の基礎部  設置中のタワーを載せる巨大な基礎部

ewin05.jpg ewwin06.jpg

工事中の固定式洋上風力発電      設置完了後の固定式洋上風力発電

ewin06.jpg

 英国エネルギー・気候変動省のホームページ掲載の洋上風力発電の概要

  上記のイラストの説明

 ① 洋上風力発電に係わっている雇用数は4,000人だが、2020年には30,000人となる。

 ② 洋上風力発電は、2020年まで、毎年£7,000B(約1兆円)のビジネスを生み出す。

  ③ 英国の洋上風力発電量は、2010年に比べ、2012年は倍増している。

  2012年現在、英国の洋上発電量は3,000Mwで、世界一である。2位はデンマークで920MW3位はベルギーで380MW4位はドイツで280MWとなっている。

 日本も海洋大国です。洋上風力発電は大きなポテンシャルがあるはずです。しかし日本近海は深いので、固定式よりもお得意の造船技術を駆使して造る浮体式が有利かもしれませんね。
7月から福島沖で始まった浮体式洋上風力発電の実証試験に期待したいですね。(了)

カテゴリー: 気候・環境, 科学技術 パーマリンク