「今年もヒガン花を訪ねて」2015年9月23日 吉澤有介

 今年も日高市高麗の巾着田に、ヒガン花を見に行ってきました。9月前半の長雨で、開花が大幅に遅れたと聞いて、ついにお彼岸の連休の最終日になってしまったのです。かなりの混雑が予想されたので、高麗からの近道を避け、飯能駅から歩いて天覧山から高麗峠を越えてゆくことにしました。
以前にK-BETSの吉川さん、清田さんとご一緒した、奥武蔵自然歩道の緑豊かなルートです。これは大正解でした。深い自然林の中の古道は静寂そのもの、秋晴れの森林浴をたっぷりと楽しんで辿りついた高麗川を渡ると目指す巾着田です。
ここのヒガン花は、まさに満開の盛りでした。またそれ以上にヒトの多いこと、遊歩道はすべて老若男女の行列で隙間もないほどです。心配していた9月豪雨の形跡は見られません。また高麗川の清流も、子供たちの歓声で一杯でした。
まずはその花の様子をご覧ください。
   白いヒガン花も目立ちます       林間の大群落
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とにかく見渡す限りの真紅の世界が拡がっています。眼の感覚が麻痺して、次第にアタマがおかしくなってくるようでした。わが郷里の先輩である坂口安吾の「桜の森の満開の下」でヒトが狂ほしくなるという、まさにあの気分です。これは長居したら危ない。
土手の上に出ると、正面におなじみの日和田山305mが出迎えてくれました。ところがその前景になるはずの一面のコスモス畑が、どうしたことか一つも咲いていません。9月の異常気象で、コスモスの開花が10月にズレこんだというのです。これだけは誤算でした。しかしそれは贅沢な望みといってよいのかもしれません。
お帰りはいつもの高麗駅です。折り良く臨時の電車が来て、大満足の一日が終わりました。この貴重な大群落のヒガン花が、いつまでも私たちの目を楽しませてくれることを願うばかりです。「了」

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