ロンドンの桜 荒川英敏

  K-Betsの皆様

 数日前から暖かくなり、やっと冬が終わり春が来た感じです。今年のイギリスの春は1962年以来の寒さで、花が咲くのも草木が色ずくのも、小鳥達のさえずりで目が覚めるのも、ほぼ一ヶ月遅れで、正に ”Winter is over and spring has come !” の言い回しにピッタリの季節となりました。

 3月初めに当地に来てから、とにかく一月半以上は寒く、外出もついつい控えがちでしたが、この数日の春らしい陽気には身も心も浮き浮きする気持ちになっています。この陽気のせいか、昨日の早朝、隣家の庭に親キツネが五匹の子キツネを連れて訪れているのを隣人が目撃し、私の庭にも訪れ、折角咲き始めた花の上を歩き回ったとのことで、なぜ昨日の朝、数本の花が踏み倒されていたのか、そのなぞが解けました。

 私もこの陽気に誘われて、早速、近所の桜の開花状況を見てきました。日本の様に何十本や何百本の桜が集中して一斉に咲く桜の名所はなく、一本から数本の桜が街路樹に交じっていたり公園の樹木の一本として、ひっそりと咲いていました。その時の写真を添付します。

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 この陽気に誘われて、これからいろんな場所に出掛けたいと思っています。

 それでは、又の機会に。                                              荒川 英敏
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荒川様

ロンドンの桜(写真)を初めてみました。私は「(益)日本花の会」の会員です。この会は日本だけでなく、世界に桜の苗を無償で送って桜の普及活動をしています。20年くらい前にドイツに送った桜が咲き誇っている写真を見ていますが。日本の桜をここ10余年写真に撮り続けています。一昨年5月の連休に北海道にゆきましたが函館「五稜郭」で5分咲き、静内はつぼみでした。ロンドンは緯度で言えば樺太ですから「今頃」で理解できます。今年の桜は東京は早かったのですが、東北(弘前など)はその後の冷え込みで今が盛りのようです。日本国中今でもたくさん桜を植えられています。桜だらけです。震災後はさらに拡大です。戦後に植えられた桜があちこちで「名所」になっています。「さくら」は日本人の心情にぴったりの花のようです。私が撮影した桜も相当数たまってあとで展示会(冗談)をと思っています。「さくらとバックの郷土の山々」・・これがいいのですね。キツネの話ですが日野市の我が家の暗きょに、タヌキが一匹住んでいるようで近所の人が教えてくれます。・・何にもしないでほっといています。最近出てこないので引っ越したのかもしれません。近所で「ホタル」の里と称して5月~6月ホタル観賞会があります。(500m程離れた林間学校跡地でホタルを飼っています)日本でも4月、5月の山々は sprinng has come なのです。岩田 頼次郎
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岩田様 

メールありがとうございました。「日本花の会」の会員とは、良い会に入られて、楽しまれているようですね。チャンスがあれば、十数年も撮り続けた桜の写真をみたいですね。「日本花の会」と言えば、20104月に(独法)森林総合研究所の多摩森林科学園に沢山の種類の桜が楽しめるとのことで、訪問したことがあります。その時、花も葉も付けていない木に目が止まり、説明板に クルサル 「 Cerasus ” Kursar”原木:英国 」と書かれていたので、帰宅後、「日本花の会」のホームページで調べたら、英国の桜愛好家が寒緋桜と千島桜を交配して出来た桜との説明が掲載されていました。
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英国の桜愛好家とは誰なのか、森林総研のホームページとGoogle UKで調べたら、C.Ingramと言う、1940年代のサクラ研究家であることが判明しました。この方はさらに、”オカメ”と言う、カンヒザクラとマメザクラを交配した桜を作出しています。もしかしたら、ロンドンで見られる桜はクルサルオカメかもと思い、調べたことがありますが、まだ確証は得ていません。近所の英国人に聞いても、ただ、”Cherry Tree “と言うだけで、正しい名前を知っている方には、まだ出会っていません。その内、出会えるのではと楽しみにしています。日野市の岩田邸にもたぬきがいたり、ホタルが見られたりとは驚きですね。きっと周りの環境が良いと言うことでしょうね。大都会ロンドンでもキツネが1万匹以上、無数のリスが生息していると、BBCテレビ番組を見たことがあります。このことは、キツネやリスが生息できる公園や森が至る所にあり、自然環境が豊かだと言うことでしょうね。

ロンドン市民もキツネやリスに出会っても餌を与えない!脅かさない!の行動を徹底していますので、天敵もいないキツネは、安心して子育てが出来るのかなと、思ったりします。人間も福島 巌さんがレポートしていました様に、コンクリートの住宅ではなく、木造住宅で周りも自然環境が豊かな場所で生活すれば、身も心も豊かになり、若い世代も安心して子育てが出来そうですね。それでは、またの機会に。                                       荒川 英敏

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