蔵前バイオ通信 第8号 2010年12月06日

*******************目次 ***********************
1. Kシステムの基礎実験を行う
2.アグリビジネス創出フェアに出展
.林業関連機械の進歩
4.新会員杉浦さんの紹介
5.木材の新乾燥方式愛工房
6.ホームページの内容と更新状況
A.コラム技術者がバイオマスを語る
B.ニュース&トピックス
7.世界のバイオ情報佐野レポートから抜粋
(1)シェルの社長中国にて講演
(2)IEA発表 ピークオイルは2006年に過ぎた
(3) 12歳の少女 セヴァンの伝説のスピーチ

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1.Kシステムの基礎実験を行う


10月懸案であったシステムの基本的な問題点をチェックするため駿河台大学と飯能
市、林業家鴨下さんらの全面的な協力の下、大学の山林内で行いました。チェーン
の動きが予想外に変化に富み、小型の動力源をもつウインチの活用で幅広い集材作
業ができることが確認できた。
半円形断面のトレイを利用して摩擦抵抗を減らす方法も試したが、木の先端にキャ
ップを付けることで省略できる可能性もある。致命的な問題点は無かったが、規模
を大きくしたり、コスト低減したりする点から工夫するポイントは多数発生する可
能性がある。チェーンを駆動するウインチの開発や規模を拡大した実験が次のステ
ップである。
http://kuramae-bioenergy.jp/news/?p=475



2.アグリビジネス創出フェアに出展


 1126日(金)幕張メッセで開かれた農水省主催のフェアに出展した。木材の集材
Kシステムをメインにしたもので全体が分かる模型と説明パネルで構成した。
木質バイオマスを超高温水蒸気式ガス化炉でガス燃料として回収する件とボイラーを
利用して地中暖房と土壌殺菌による「有機農法のすすめ」のパネル展示をした。
農業分野が主体のフェアであったが、林業に注目している方がたくさんブースを訪れ
て活発な意見交換ができた。
http://kuramae-bioenergy.jp/news/?p=497


3.林業関連機械の進歩 


政府の林業活性化方針が受け入れられて林業に関するシンポジュームへの参加者が増
えている。それと同様産業機械分野でも活発な動きがでている。

林業機械展には多くの企業が出展、IHIは新タイプ・フォワーダーを出した。関心
の高いポ-タブルウインチ(輸入品)も展示されていた。
http://www.portablewinch.com/en/
当会の会員遠藤さんから高速粉砕機械の紹介があった。1mm以下の細粒化が可能で木
や竹など繊維状のものでもカットできるという。粉状にして定量供給可能な仕組みも
できるので各種用途が期待できる。(
http://www.endo-kogyo.co.jp


4.新会員杉浦武雄さんの紹介 


商社三井物産に勤務し主として中近東のイスラム圏で働いた。退職後(株)ラジア
ント社(http://www.radiant.co.jp)を設立。床暖房からヒントを得て野菜のハウ
ス栽培に取り組む。生育には地中部分を暖める方が効果的であり、太陽熱を利用し
た土壌殺菌と共に新しい有機農法を提案している。



5.木材の低温乾燥方式愛工房


木材のコスト競争力の大きなポイントは乾燥である。愛工房方式はスギ材(15mm)
を1日で乾燥含水率10%までを達成した。天日で半年かかる32mm材の乾燥も5日
で仕上がる。サウナ風呂のような
4050℃の低温乾燥でこれができるという。高
温短時間の急速乾燥は木の組織を殺してしまうので湿度の高い場所では直ぐ戻っ
てしまう。低温乾燥はまだ呼吸を続けているため数々のメリットが生じるという。(
http://www7a.biglobe.ne.jp/~ishikou/ikkkenkyukoubou1.htm


**********  6.ホームページの更新状況  **********


—- A.コラム技術者がバイオマスを語る —-

(
)スエーデンの木質ペレット事情
  大量に作って発電に使っているが原料はカナダからの輸入品

(
)藻のバイオ燃料実現の可能性 広谷 精 
  米国での研究開発苦戦している状況が伝えられている。(3)国内排出量取引制度検討WGの問題点  (4)課題先進国日本 野村総研
小宮山宏のこれからやってくる高齢社会にどう対応
していくか
- 新社会のビジョンを提案している。
(5)バイオマスエネルギーと太陽電池の得失を比較する。
 バイオは回収期間が短く、環境に易しいエネルギーである。—-  B.ニュース&トピックス —-(1)エンジン一体型ポータブルウィンチについて紹介
国産品を作ろうという会社もある。

(2)日本のバイオマス研究はなぜ進まないか?
藻類栽培によるエネルギ化は各国で開発が進められているのに日本ではその取
り組みが見えない。
(3)加治丘陵ウォーキング 武蔵野音楽大学がある地域です。(4)山下清の世界 諏訪にある清の絵のすばらしさを紹介します。

(5)市民の森を訪ねて 地元市民の協力により活気がでてきた森の管理。(6)自然のいとなみ6 晩秋の風景。 


**********  7.世界のバイオ情報 **********


(1)   シェルの社長中国にて講演
http://www.technologyreview.com/energywebcast/
新燃料開発には時間がかかり1%のシェアーを得るのに30年かかる「30年の
法則」がある。
中国の産業が目指す方向は
.ガス田の開発などで天然ガスの供給量を増やすこと
.化石燃料の効率改善、炭酸ガス排出量削減を行うこと
.低カーボンエネルギーの増加:CCS技術導入促進バイオ燃料増など
助言したいこと
・エネルギ集約産業から脱却し、次5ケ年計画で大胆な削減目標を立てる
・石炭をやめて天然ガスの発電所を増やすこと
・二酸化炭素の排出を有料にすること
 CDMクレジット(日本やEUの方法には限界があるとの指摘)(2)   IEA国際エネルギ機関発表 ピークオイルは2006年に過ぎた
http://green.blogs.nytimes.com/2010/11/14/is-peak-oil-behind-us/?pagemode=print
石油の見通しについて2009年の実績と2035年の見通しを発表した。
石油の需要は2035年には1500万バレル多い9900万バレルに達する。
増えるのは非OECD諸国でその半分は中国である。
石油価格は約2倍にアップする。
持続性あるエネルギは3倍に増えるがシェアーは14%である。
このままでは平均気温を+2℃に収める公約は不可能で+3.5℃(650ppm
にまで達してしまう。

約束を果たすためには2020年までの強力な実行計画が必要である。

(3)   12歳の少女 セヴァンの伝説のスピーチ
リオの国連環境サミットでセヴァンが訴えた。
動物や植物が毎日のように絶滅している。オゾン層に穴があいている。その他地球の
あちこちで悲鳴が聞こえてくる。どうして直すか分からないものを壊すのは止めてく
ださい。私たち子供を愛しているというなら、荒れ果てた地球を子供達に残していか
ないで・・・・。
 

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