コスト計算の見方について  2010年9月8日 吉澤有介

各種再生エネルギーコストを比較する場合には、単純にコストだけを見るのではなく、その費用の内訳を確認することが重要です。
その見方のポイントをご紹介します。

 1. 再生エネルギーコストのもとになる費用の内訳とその性格

(1)初期設備費用     

輸入設備・機械の場合  外国企業に支払われる    資金外部流出    ×

国産設備。機械の場合  国内企業を潤す       資金地域外流出   ○ 

(2)エネルギー生産コスト

 ① 直接生産費用(変動費)

. 労務費       地元の雇用に支払われる   資金は地域内   ◎
, 燃料費など     車両、チェンソーなど    資金は外部流出  ×
, 設備リース料    設備を購入でなく、リースまたはレンタルした場合
                          資金は地域外流失 △
  
     (フルリースではおおよそ
7年で購入と等価になる)

② 一般販売管理費(固定費)  
, 人件費、家賃など これは地元に支払われる   資金は地域内に落ちる ◎
, 減価償却費  損金扱いだが内部留保で流出なし     同じ    
, 金利     金利は地元金融機関に支払われる     同じ    

2、コストの比較には次のように分析して検討することが必要である。

(1)初期設備費用

(2)エネルギー生産コスト 
 ・外部流出分 (設備のリース代、燃料費など)     純粋の損金   
 ・地域内消費分(人件費など地域に落ちる諸経費)    付加価値に相当する   
   
地域内消費は雇用を創出し、地元に還元する。コストはすべてが損金ではない。これは管理会計の考え方に基づく。

一般の財務会計では、すべての経費を損金とみなすので、地域経済への貢献度が読み取れない。このためグローバル経済、自由市場主義経済で大きな過ちを犯している。経済行動に際しては、必ず管理会計を基準としなければならない。

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