KIYOTA式 木寄せシステムのはなし(4)

6.ハーフパイプで全幹集材が出来るか
 
ハーフパイプ方式を使う時でも全幹集材が出来るでしょうか。
この場合、少し工夫が必要です。
木の幹の先端から5~6mくらいのところにサポートソリを噛ませ、木をソリ
にくくりつけます。
サポートソリは帆掛け舟のイメージです。
下図のように木を下から支えて木の梢部分にある枝や葉を浮かせて、ハーフパ
イプの中から出し、運搬中の
損傷を防ごうとするものです。
先ず、ソリを横倒しにして木の幹に差し込み、テコの原理で簡単に木を浮かせ
てソリを木の下にすべりこませるようにして、ソリの上に木を乗せます。
その後、先端部にスリッパを履かせワイヤーで緊縛してスタンバイします。
ハーフパイプとソリの形状を工夫して、木とソリが転倒しにくいようにする必
要があります。
枝や葉には水分が多く残っており、しなやかなので少し持ち上げてやればハー
フパイプにこすれても枝が折れ、葉が引きちぎられる可能性は低くなります。
この状態を作った後、カラビナで木を鎖に繋げば、ハーフパイプの中に木を導
入し、搬送することが出来ます。
sousa_edited.jpg
  

 7. 鎖の効用 
鎖は重いと言うイメージがあります。
確かに重いことは人が行う作業では短所であると思います。
しかし可能な限りその欠点を操作器具によって作業するようにすれば短所を補
えます。
短所を克服できると長所が目立ってきます。
ここでK-システムに対しての鎖の長所について纏めてみます。
a) 鎖の形状を良く見てみると図のようにひとつおきに水平方向と垂直方向に鉄
の輪が繋がっています。
鎖の輪は長円形ですから何か障害物に当たると円形の部分がするりと障害物を乗
り越えてくれます・・・
ソリの役割です。 
水平部分は地面の土に対して「カンジキ」の役割を果たして、地面にもぐりこむ
のを抑えてくれます。
 
つまり障害物に対しても、地面に対してもソフトに接してくれているのです。
また、地面との摩擦係数を低く抑えてくれます。
 b)       鎖のループを伸ばすのに適切な「連結環」を使えばワンタッチで鎖を入れ
子してループの長さをワン
タッチで延長することが出来ます。
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c) 鎖のリンクには木などを引っ掛けるための空間があり、ワンタッチで木
を鎖に繋ぐのに非常に便利です。
 
d) ハー フパイプを使う場合、鎖は重いので木の重量と合わせて、ハーフパ
イプがうねうねと曲がっている場合、上下にうねっている場合でも、鎖がハ
ーフパイプからはずれようとする力が働いた時に鎖を引き戻す力
(復元力)が作
用します。
そのため鎖のループが外れ難いといえます。
重いという短所が、外れ難いという長所に代わっています。

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e)  鎖は太い鉄棒を長円形に曲げて棒の端部を溶接して輪を作り、焼き入れ
処理をして強度を強くしています。
  
従って非常に丈夫で磨耗にも強い素材です。
  
ワイヤーのようにキンクしたり,素線切れを起こしたりして突然破断する危険
は低いと考えられる。
普段の観察をきちんとしてメンテナンスを行っていれば不測の事故を起こすこ
とはありません。
安全性が高いといってよいでしょう。

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