EV自動車の検討課題 技術情報検討会 吉川浩 2017年10月14日

フランスに続きイギリスが2040年までにガソリン車の販売を禁止する事に決め、中国がこれに続くと決めたので、世界の自動車メーカーが一斉にEV車の発売計画を発表しました。

そこで、今月はこの話題を取り上げ討論しました。

日本では日産が「リーフ」の新モデルの航続距離を従来の2倍、400㎞とし、電池メーカーのユアサは充電容量が従来の2倍のリチウムイオン電池を量産し、三菱自動車の「アイ・ミーブ」に搭載すると発表しました。もちろん、デンソーや独ボッシュ等の部品メーカーも対応していて、業界の話題はEV車一色となっているようです。

水素ステーションの普及が思うように進まないFCVは苦戦の様子です。

しかし、以下のような疑問も生じます。
-大容量リチウムイオン電池の安全性は解決されているのか、スマホやパソコンとは桁違いのエネルギーを蓄えているので、一瞬で発火する事があってはならない。

-電池の材料の供給に問題があるのでは?EV車が激増した時、リチウムやコバルトなどが不足する懸念がある。

-現時点では電力は未だに火力発電に大きく依存している。世界平均でWTW(Well to Wheel)でのCO2発生量はEV車で130g/㎞程度、ガソリン車が150g/㎞程度という試算がある。旧式の石炭火力発電が足を引張っている。

-電池の寿命に心配がある。3~5年程度で劣化するようではEV車はとても高くつく。

技術情報検討会では、引続き、これらの疑問をフォローして行きます。
それにしてもロールスロイスやジャガーのような名車もEV車となる時代が来たという事でしょうか。

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