深層地中加温   2011年12月1日 杉浦武雄

  我国の70%は山林であり、木質資源(バイオマスエネルギー)には非常に恵まれて
いる。再生可能なエネルギーを施設栽培ハウスで使用すれば生産コストがさがり、
食品安全面で世界的ニーズの高い有機農産物を生産することで付加価値をあげる事
ができる。地産地消・周年栽培を実現し我が国の農業を復活させる事が可能となる。
深層地中加温はそれを充分実現可能とするシステムである。 深層地中加温とは深さ60cm前後に埋設したパイプに温水を循環させて地中に熱を与
える。夏はハウスを締切り、降り注ぐ太陽熱を地上から導き地表を温め、同時に地中
パイプに与えた熱との併用でハウス内の土壌を上下から加温する熱による土壌消毒方
法である。冬は
4550℃の温水をパイプの中で循環する事で土壌を加温すると同時に
土壌が蓄熱される。農作物は順調に生育し味も良くなる。
本システムは夏、農薬を全く使わずに土壌消毒を行い、冬は地中加温して農作物を効
率良く生育させるシステムである。
 

深層地中加温は我国が抱えている農業の諸問題(中山間地の対策・低い食料自給率
・後継者不足等)を解決することが可能になる。
寒冷地においては農作物の効率的かつ安全な生産が可能となる。その熱源は近くに存
在するバイオマスエネルギーを活用し、地産地消型の案全性の高い有機農産物の供給
基地へ変化することができる。東日本大震災後の農業復興を助けるきっかけとなるこ
とができる。
深層地中加温システム構成図


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   栽培時               消毒時

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