海藻利用によるバイオ燃料 渡邊 雅樹

今回の海藻利用によるバイオ燃料の情報は、大変、参考になりました。カリフォルニア州の沿岸やノルウエイ沖では、海藻の栽培に適した海岸と海流があるので、大きな産業に発展しそうな気がします。

一方、同じ様な沿岸と海流に恵まれている日本では、大型海藻の栽培は、ほんの一部の地域でのコンブとワカメが栽培されて、日本人の食用としては、日常的なモノですが、大型海藻を栽培して、石油の代替になるバイオ燃料にしていこうと言う考え方は、ほぼ、皆無と言えるでしょう。中国ではすでに、人海戦術による沿岸部の人工海藻栽培を実施して、沿岸の1000KMを藻場として、海藻類と漁業資源によって、大きな産業になっていると報じられています。
 日本の役所では、エネルギーは経済産業省、海産物は水産庁、海岸線の護岸は国土交通省で、たて割の弊害が大きくて、海藻の栽培により、エネルギーの自給率を高める戦略などは、存在しない状況です。 

菅内閣では、せっかくの「国家戦略室」も、首相のに諮問組織になり、益々エネルギー戦略は経済産業省の所管の感が強くなっています。 尖閣諸島問題をきっかけにして、海洋、EEZ(排他的経済水域)、漁業資源、などへの関心が高まると良いと、秘かに期待をしています。 

渡邊 雅樹

アメリカ起業 Bio Architecture Lab (BAL) とノルウェーの海上石油・ガス大手 Statoil が戦略提携した。
BAL の海藻からバイオ燃料を製造する研究開発費を Statoil が負担する。
Statoil はノルウェーで海藻栽培を担当し、ノルウェーの実証工場の建設は両社で行う。
これとは別に BAL は海藻知識が多く、輸入石油に依存しているアジアに深い関心
を持っている。
     世界のバイオマスニュースより

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