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2014/6/12 木曜日

英国の民間投資を活用した大規模再エネ発電プロジェクト 2014年6月8日荒川英敏 

カテゴリー: 技術者の現場レポート   by k-bets 編集長 @ 23:15:52

  ロンドン便り その37

423日、英国のエネルギー・気候変動省(Department of Energy & Climate Change-DECC)によって、8table1.pdf(表1)の大規模再生可能エネルギー発電プロジェクト(以下、再エネ発電プロジェクト)が発表されました。これは2013年よりスタートした、再エネ発電プロジェクトに民間の投資を呼び込むため、投資家も含む再エネ発電プロジェクト事業者を募ったものであります。応募数はヨーロッパ大陸からも含め56件、一次審査を経て残った16件の中から最終選考され、政府との契約を締結した8件の再エネ発電プロジェクトが発表されました。

この発表によりますと、今回締結した8件の再エネ発電プロジェクトだけで、2020年までに£14b(約2兆円)民間投資を呼び込んむことになり、これらの再エネ発電プロジェクトによって8500人の雇用が生み出され、4.5GWの電力を発電し、300万世帯分の電力を賄うことになります。これらのプロジェクトが軌道に乗れば、2020年にはこれらだけの発電電力量は15TWhとなり総再エネ発電量の14%を占めることになり、更に化石燃料に比べて毎年10MtCO2CO2削減に貢献することになります。

今回発表された、8件の再エネ発電プロジェクトは、政府の電力市場改革プログラム(Electricity Market Reform Program)の下での特別枠CFDContoracts for Difference)を使って行われるものであります。再エネ発電プロジェクトの事業者(投資者)は向こう15年間に亘って、Strike Price(権利行使価格、詳細は表2参照)を再生可能エネルギーの種類と発電量に応じて受領することができます。

DECCのエドワード・デイビ大臣は「今回の8件の再エネ発電プロジェクトの契約は、英国の再生可能エネルギー投資機運を高める為の重要なステップである。これらの民間のエネルギー投資は政府のインフラ整備計画の大きなギャップを埋めることになり、2020年の英国が目標としている総発電量に占める再エネ発電の割合が15%から30%をになる為の支えになっていくだろう。」と述べています。

契約は2013年に施行されたエネルギー法の新しい法的枠組みによって、サポートされており、さらにCFD取引は、秋口から順次利用できるようになり、政府は来年早々に8件の再エネ発電プロジェクトのCFD取引の詳細を公表する予定です。
  (表2)英国政府から再エネ発電事業者(投資者)に支払われる権利行使価格(ポンド)table2.pdf

現在、英国で運用中の再生可能エネルギーの発電容量は20GW以上あります。これまでに政府によって計画が承認され建設待ちとなっているプロジェクトは、洋上風力と陸上風力の合計で11GWあり、2020年までに再生エネ発電が総発電量の30%目標を達成する軌道に 乗っていると思われます。

英国は、今後も国内に限らず海外からの民間投資も活用した、再生エネ発電の拡大や、CCS(炭素回収貯留技術)等を果敢に進捗させる様々な施策を実行して行くと思われます。
これらは、日本が模索している発電のベストミックス作成の参考になるのではと、思えてなりません。(了)