三井物産亀山の森にてK-システムの実証実験レポート 2012年4月11日 記 福島 巖

 4月10日と12日の2日間にわたって三井物産亀山社有林で集材方法・Kシステムの実証実験を行いました。今回の実験は三井物産フォレスト社の実際に作業を担当されている人達にシステムの内容を良く知ってもらうことと、実際に機械を使って操作し作業の仕組を熟知してもらうことにありました。

第1日目は飯能の森で現場作業の指導に当たっていただいているKさんの作業指導の元に進められました。ボートウインチの使い方などやって見せての細かい指導がありました。三井物産フォレスト社の専門家だけあって1日でマスターして2日目からは安全上の注意ポイントを追加指導しただけで見事な連携作業を遂行されて成果を得ることができました。

この山の特徴は地盤が崩れやすい砂地で山の斜面が40~50度の急斜面であることです。このような場面では林道が作り難く大型機械が困難で、Kシステムが最も適している方法と考えられます。

今回の現場では、木が密集して生えているためチェーンで引っ張る方向に伐採できず、木の方向を合わせるためボートウインチで引っ張り回す作業が余分にかかってしまうハプニングがあった。しかし45度の急斜面を20~25メートルもある樹冠付きの全木を引っ張り上げたのは壮観であった。根本の径は25cm程度。方法としては、取扱いやすく短めに6、8mにカットした材だと2、3本括り付けて上げることも可能で、能率アップの点からは推奨できる。

この実験設備は強度や馬力の点で不足しており実施本番の設備に向けて更に強力な補強が必要になってきます。またボートウインチは2台あって色々な方向に引っ張り合った方が便利であることも分かった。ボートそのものも鉄板製だと重過ぎるので軽量化の工夫やその他の改善が必要である。

三井物産フォレスト社は更にこのシステムの作業をやってみたいとのご要望があるのでしばらくの間K-BETSの設備を和光さんのボートウインチ付きでお貸しすることになった。

今回の実験を通して学んだことは、山林現場では条件が大きく異なる部分がたくさんあるのでそれに合ったシステムを作り上げていく必要がある。軽量資材で通用するものもあれば長距離輸送が必要なこともある。設置場所に合ったシステムが自由に組み合わせることのできるものが望まれる。

またこのシステムの深化のためには大勢の人たちに使っていただいてノウハウの缶詰を作る必要を感じた。

千葉県の森は油断するとヒルに噛まれる心配があるのでスパッツなどして行った方が良いとのコメントを聞いていて良かった。今後もまたやってくるチャンスがあるので守っていきたい。今回は全く問題なかったが。

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第2日目に集合して実験を行ったメンバー。右端がリーダーの清田さん


後半は亀山から素晴らしい春の景色を届けます

亀山湖は川をせき止めて作った人造湖で川に沿った複雑な湖になっています。

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この写真に見られる辺がその中心地で見事な桜並木や地元の人たちが育ててくれた草花でいつ来ても素晴らしい景色が楽しめます。


釣りには絶好の場所で専用のボートが湖面にたくさん浮いて一日を楽しんでいる客が大勢います。

左前方に見えるのが亀山温泉ホテル。地下2千mから湧出している分速6百リットルの温泉はナトリウム泉で黒い色をしていてお肌がつるつるになる美肌効果があるという宣伝でした。

 

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