大型炭化炉「炭之助」第1号機の販売について 2016年7月3日 篠崎正利 

竹炭を如何に安く大量に作るかをテーマに取り組んできました。空気の供給を断って蒸し焼き状態で炭を作るとどうしても燃焼速度が低くなってしまう。そのためには燃焼面積を拡大する必要がある。今まで数年をかけて標準型として燃焼面積縦2.4mx横幅1.8mのサイズにして燃焼時間3時間で約300kg(容量にして1,000リットル)の竹炭を生産できる半開放型炭化炉を開発した(完全密閉方式ではない)。
開発で苦労したのは燃焼によって内側と外との温度差によって側板上部に熱歪が発生すること。この歪によって連続使用が困難では商品としての価値がなくなるため鉄板の組み立て方や材質(特殊ステンレス)を工夫して実験を繰り返した。それだけでは完全でなくリブを数か所取り付ける必要があった。7回の試作を経て完成品を仕上げ「炭之助」と名付けた燃焼炉を完成し今回販売にこぎつけることに成功した。

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朝日新聞千葉版に載ったシンポジウムのデモ風景
注文主O・Fさん
いすみ市高谷で生まれたO・Fさんが恵まれた自然環境の中で少年時代を過ごし、長じて弁護士になった。都市部での忙しい生活に追われていたが、実家がいすみ鉄道「上総東」駅近くの夷隅川の支流にある。ここも放置竹林がはびこり、この竹を何とか整備したいと常々考えていた。
たまたま朝日新聞の記事「竹炭シンポジウムinいすみ」を読んで竹を大量に焼いて炭にすることができることを知り、早速友人を通じて私に連絡が入った。面会したところ生家の放置竹林を整備するために新聞にでていた燃焼炉を購入したいとのことであった。早速会って資料で説明し改良を重ねた最新設備の現物を確認するだけで購入することを決めてくれた。
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夷隅川の支流を覆い尽くしている実家の竹林

販売の条件
今まで積極的には設備の販売をしてこなかった。野焼きであるため市町村で禁止している所があること。許可区域でも消防署に届ける必要があること。また何かのトラブルで問題が発生する可能性があるので、この炉の取り扱いを私共で充分現地指導してからやってもらう条件で販売することにている。
販売先を積極的に確保し竹林整備が進むように地道な運動を広げたい。
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O・Fさん自身が竹を投入して使い方をマスターした

参考  朝日新聞の該当記事
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