現在の位置 : ホーム  >   ニュース&トピックス

ニュース&トピックス


  • コラムバイオマスについて
    技術者のプロの目線で

K-BETSのニュース&トピックス

2010/7/26 月曜日

二子山・兵ノ沢の沢登り 2010・07・26  吉澤有介

カテゴリー: 紀行文   by editor5 @ 22:51:44

 西武線小さな山旅シリーズ(その4)

今回は涼しい沢登りをご案内しましょう。
といってもこれは沢登り初歩のそのまた入門の、ごくやさしいルートです。
私は学生時代を山岳部で過ごしましたが、そのルーツは旧制高校山岳部の探検的山行で、現在でも国内最高の難度といわれる東北の飯豊の沢が、私たちのホームグラウンドでした。
先輩のH氏と二人で入った大又沢で、雨の中を10日かけてようやく完登したときの感動は60余年を経た今でも忘れられません。
その後も奥多摩、丹沢、谷川連峰、東北の山々などで、ワラジ履きの沢登りを続けてきました。
しかしトシを重ねるともう危ないことをやってはいけません。
そこでなるべく近いところで2時間くらいで楽しめるやさしい沢を探すことにしたのです。
そこで出会ったのがこの兵ノ沢でした。
ここ20年近く毎夏訪れる、私のとっておきの沢なのです。

西武秩父線 芦ヶ久保駅から、線路の下のトンネルをくぐって二子山に向かうとすぐ山道になり、小さな尾根を越えるともうそこが目指す兵ノ沢です。

駅から10分も歩くとあたりはすっかり深山の気配で、クマ出没注意の看板にドキリとしますが、この沢は小さいながらも、沢筋の岩肌が美しく2mから5mほどの小滝が連続し、ゴルジュもあれば滝壺には立派な釜もあり、一人前の沢登りの気分が楽しめるのです。

しかも沢沿いには、目につかない高みに二子山への登山道があるので、いざというときにはいつでも逃げられる安心感があります。沢登りに単独行は厳禁ですが、ここだけは気軽にのんびりと歩くことができるのです。だれも気がつかないようですが、こんな楽しい沢はそうはありません。山道にかかっている丸木橋から沢に入ると、冷たい流れに素ワラジが実に快適です(いかに古典的なスタイルか、もうお分かりでしょう)。
しばらくジャブジャブと進んでゆくと最初の滝1の岩棚です。
 以前にスキー仲間の女性たちを案内したら、もうここで感激して「ファイト一発!」とやりました。

 dscn1692.JPG次のF2には立派な釜があり、ゴルジュも厳しくてとても直登はできません。ギリギリに高巻きすると、F3、F4と手ごろな滝が続きます。どんどん越えてゆくと、ここで現れるのがこの沢一番のF5です。高さは5mほどですが、流れの中央に適度なホールドがあって、スリル満点のシャワークライミングはもう最高の気分です。
○○の滝と名前をつけたいところですが、まあ遠慮するとしましょう。
この滝は上の登山道からも僅かに見えますが、ほとんどの登山者は気がつかないようです。
まさに沢屋だけの別天地なのです。

dscn1694.JPGさらにいくつかの滝を越えてゆくと、やがてまた登山道に出会いますが、ここまで約1時間半、主な滝はほぼ完登したことになります。
この先は次第に流れが細くなり、適当なところで切りあげて上の登山道に出ると、まわりの自然林は素晴らしく、それまでの緊張から解放されてやはりホッとします。

dscn1699.JPG水源に近いこのあたりでは、よくサルの群れに出会いました。いつもだいたい正午前後に、20頭くらいの子連れの群れが、先頭の見張りに続いてザワザワと遊びながら通り過ぎます。
たぶん回遊のルートが決まっているのでしょう。

 ここでワラジを靴に履き替えて、のんびりと登山道を下ります。
夏の盛りに何も頂上までゆくことはありません。
足元から冷えた身体には、ちょうど心地よい涼しさが残ります。
 ただ気がかりなのは、間伐で直径40cmもの立派なスギがそのまま多数放置されていました。
葉枯しかもしれませんが、ここなら沢の中をハーフパイプで下す手もありそうです。

dscn1700.JPG途中にこの二子山一番の巨樹があります。小さなホコラが祭られているので、きっと山の神なのでしょう。エノキのように思いますが大きすぎてよくわかりません。いつもここでお参りをして今日の無事を感謝することにしています。あとは駅前の茶店で冷たいビールが待っているというわけです。
 この兵ノ沢はガイドブックにもないので誰も入りません。
一部に流木が邪魔しているところもありますが、すこし取り除くだけで沢登りの素晴らしい入門コースになるでしょう。
もしご希望されるようでしたら、いつでもご案内しますのでどうぞご連絡ください。「了」

  

2010/7/16 金曜日

2009年度の事業報告など組織の情報を更新しました

カテゴリー: サイトの更新情報   by k-bets @ 1:00:24

K-BETS(NPO法人蔵前バイオマスエネルギー技術サポートネットワーク)の2009年度の活動報告書、財務諸表と役員名簿をアップデートしました。

  

2010/7/15 木曜日

バイオブタノール開発生産の勧め       2010.7.9 

カテゴリー: K-BETSの活動報告   by editor5 @ 22:56:19

 近年アメリカではブタノールの生産計画を、エタノールよりも車に優しい燃焼特性があるとして大企業・ベンチャー共に推進し始めている。(佐野リポート)
BPとDaniscoButamax Advanced Biofuels LLCを設立し2012年ブタノールの生産を始める。
2013年にはコーンエタノールとコスト的に競争出来るであろうと期待されている。
Butamax2013年にブラジル(原料サトウキビか)とイギリス(原料は小麦か)に工場を作りブタノールの増産を始める予定である。
 なぜブタノールはエタノールに比較して有利なのか。
ブタノールはエタノールに比較して分子構造的にガソリンに近く、種々利点がある。
まずエタノールは燃焼熱がガソリンの2/3しかないが、ブタノールはほぼ同等である。
ガソリンへの混合率限界はエタノール10(アメリカの基準)であるがブタノールは16%まで可能である。
ブタノールはエタノール、ディーゼルとの混合も出来る。
化学便覧(1958年版)によるとエタノールは水への溶解度は無限大であるが、ブタノールの場合は17%しか溶けず、水があってもブタノールとして分離している。
原料は蔗糖(糖類)、トウモロコシ(澱粉)、小麦(澱粉)、トウモロコシの葉、茎(セルロース)、木材(セルロース)などが対象である。特にセルロースの糖は2/kg(18/kg)とBPは安価で用意しているようである。
Butamaxはどんな微生物を使っているのかは発表していない。
 ベンチャーとしてはCobalt Technology, Gevo Incが実施しようとしている。
obaltは植物セルロース、穀類を原料として2014年には生産量1500-5000万ガロン(5.9-18.9kl)を計画、2014年にはコ-ンエタノールとコスト的に競争できるとしている。

Gevo
はエタノールの工場を改造し多国籍石油大手の投資を受けて、イソブタノールの生産を行う。2012年に100万ガロン(0.38kl)生産予定である。
トウモロコシ及びその葉、木材を原料とし、菌としてはイーストを使うようである。 このようにアメリカがブタノールの生産にシフトしようとしている。
しかし日本では企業や官からそのような話は出ていない。
日本では戦争中、醗酵でブタノールの生産を実施していた。
それはブタノールからイソオクタン(アンチノック剤)を作り戦闘機に使うための軍事産業であった。戦後にはソルベントの産業として継続されていたが、石油化学の勃興により消失してしまった。
日本にはその技術があり、有胞子桿菌(Clostridrium acetobuchirikum)を使い、糖蜜を利用して生産していた。
アセトン、ブタノール、エタノールが361の比率であったという記録がある。
車の燃料に使う場合には、混合物であることは問題ないはずである。
60年前の技術は収率だとか、コストだとか問題があると思うがもう一度そのような技術を舞台に引き出して検討してみることが必要ではないか。
   

          記 廣谷 精 

 自動車用燃料としてのバイオ燃料―エタノールとブタノール 

(1)燃費性能
エタノールは燃費性能が大きく落ちる。
ブタノールは発熱量が大きくガソリンとほぼ同等である。

(2)エタノールの水分吸着性
エタノールは水分を吸収する点が燃料としての弱点である。
ブタノールは油と水が分離するので水分を取り出すことができる。 

(3)自動車のような耐久消費財にはエタノール使用による部品の腐食性懸念は大問題である。 ブラジルや、アメリカの[E85]クラスの燃料(混合率が高い)ではこの腐食対策に大きなコスト負担を強いられる。腐食のためある期間が過ぎると部品の交換を強いられる懸念がある。 

(4)日本では、ガソリンへの混合率が低い(5%、10%レベル)のでエタノール燃料の弱点は容認できる範囲であるがバイオ燃料の普及をもっと広める段階には問題が出る可能性がある。 しかしエタノール燃料の製造コストでもまだガソリンに比較して難点がある。
これより難度の高いブタノール製造のコスト引き下げには企業やベンチャーの研究開発と投資計画が必須だと考えている。

 記  渡辺 雅樹


ブタノールButyl alcohols

化学式C4H10Oで表される炭素数4の一価アルコールの総称である。
ブタノール類はいずれも可燃性であり、特に1-ブタノールは溶媒や燃料としてよく用いられ、他のブタノール類は香料や医薬品など化成品原料として用いられる。
いずれも日本では消防法により危険物第4類(可燃性液体)第2石油類に指定されている。
4種類の異性体がありますが、バイオマス由来であれば、ノルマルブチルアルコールとイソブチルアルコールです。
ブタン(C4H10) は主としてプロパンと混合してLPGとして使われているガスです。

  

2010/7/12 月曜日

自然のいとなみ(5) 2010年6月28日

カテゴリー: 自然の写真   by editor5 @ 13:46:01

梅雨時のスケッチ
今特有の湿った季節でうんざりしますしかし今年はサッカー日本チームの
凄い活躍で清々しい気分になっています。
img_1640.jpgアオイの花2種類が最盛期です。昨年知り合いになった家から調達したもので良く根付いて2mを越える高さになった。風で倒れるので竹棒の壁を作る。

img_1646.jpgグラジオラス 球根を植えたら背丈はアオイ同様高く伸びて倒れるので支えが要る。
家の周辺は自然の音楽会。昼はヨシキリがチチチチ、チーと賑やかに合唱しています。大きな声はウシガエル。妻はいやだというが低音で夜中遅くまでうめいている。ウグイスはまだ鳴いています。今年はスズメが多く砂浴びのポットがたくさんできて困っています。

img_1643.jpgミカンの実ができてきました。昨年は花が付かなかったミカン。3本植えて3年目の今年びっしり花が咲きました。その花の所に実ができて大きくなるのを楽しんでいます。

img_1644.jpgこの花の名前不明です。生命力はすごい!道路のアスファルトの縁から育って毎年花を咲かせていた。今年道路工事があってこれからは無くなると思っていたらまた復活した。条件の良い畑に移したら元気一杯大きな花を咲かせてくれている。

****************************************************************************************
野菜畑タマネギ、ジャガイモ、ラッキョウ等順次収穫しています。土壌が肥えてきて大きなミミズ
が一杯増えてきた。
砂地のラッキョウ段々大きく育つようになってきた。
****************************************************************************************

img_1560.jpgこれは5月の写真。林の中に白い藤の花が山を覆った。今年は山林の中に混じって咲く藤の花が目立った。それだけ林の中に進入した蔓の力が強くなったのか季節のバランスなのかよく分からない。どこもかしこも紫色に輝いていた。

img_1567.jpg一本一本手で苗を植えた自然農法の田圃。それから1ケ月が過ぎた昨日ホタルを見に行ってきました。懐中電灯と長靴を履いての探検でした。この手前にある小川に沿って小さな平家ホタルが乱舞していました。虫の飛ぶ角度によって光の強さがちがってクリスマスのイルミネーションみたいな感覚でした。ここの田を管理しているSさん、Oさんの数年間の努力の末ついにホタルの里が身近なところに戻ってきました。数人の人しか知らない秘境で、これからも大切に育てていきたいですね。

  

2010/7/6 火曜日

みちのくの原生林を巡る(その2) 2010. 7.4

カテゴリー: 紀行文   by editor5 @ 23:05:52

 翌日、八幡平の西麓の後生掛温泉からバスを乗り継いでJR花輪線の鹿角花輪の鹿角花輪駅に出ました。
途中の豊かなブナの自然林は見事なものでしたが、昨日出会ったような巨樹はほとんど見当たりません。
みな直径30cm程度の若いブナです。
かっての林野庁が独立採算の名のもとに乱皆伐した後に自然回復した林でしょう。
トロコという地名もありましたが、これはトロッコがなまったものだそうです。
鹿角(かづの)からは弘前を経由して五能線の白神山地に向かうことにしました。
しかし次の列車までには2時間もあります。駅の隣の観光協会に立ち寄ってみました。
当番らしい老人が中年の女性の人生相談に乗っているようです。
話の中身は全くわかりませんが、これがコミュニテーなのでしょう。
十和田湖などの観光ビデオを見ているうちに女性が帰って、その老人が話に乗ってくれました。
ところが言葉が殆ど聞きとれません。
ようやく鹿角がアントラアということ、それを鹿島アントラーズが名前に頂いたのだということまで理解できました。
 少し慣れたところでここの林業について現状を聞いてみました。
この秋田県北部地方は、昔から秋田スギの宝庫だったのだそうです。それが戦後の伐採とその後の拡大造林で、全部がダメになってしまったといいます。
大きな間違いだったとしみじみ語ってくれました。

 ようやく列車がきて、大館経由で弘前を目指します。
ところがこの沿線でみた人工林は、その多くが平地林でした。
しかも驚いたことに、それが手入れをされた様子が全くないのです。
密植されたままのスギが、全体に蔓もからまり、直径
10cmそこそこのひょろひょろの線香林になっています。
これは一体どうしたことでしょう。
日本の人工林は急斜面が多いために、機械化ができずにコスト高になるとされていましたが、このような平地林の林業までが放棄されていたのです。
問題の根はよほど深いものと考えこんでしまいました。
 弘前からは近頃人気の高い快速しらかみ号で、今夜の宿の十二湖駅を目指します。
曇り空の日本海は波一つない静けさでした。
深浦のあたりの海岸美は、なかなか見ごたえがあります。
 

 世界自然遺産の白神山地の入口にある十二湖駅近くの民宿では、一泊7000円なのに豪勢な海鮮料理には驚いてしまいました。
夕食はもちろん朝食にまでウニの山盛りが出てきたのです。
一週間後には定期健診を控えているのに、これではコレストロールは完全にアウトでしょう。 翌朝、宿の前に奥十二湖行きのバスがきましたが、これが地元や遠方からの観光客で満員でした。
何とか乗せてもらったバスは、白神山地に分け入って走ります。
15分ほどでナラやカツラなどの自然林のなかに次々に湖沼が現れてきました。

 ここは江戸時代にこの地方を襲った大地震のために、沢が各所でせき止められて33の湖沼が生まれたところなのです。
白神山に向かう崩山から見下ろすと十二の湖が見えるのでこの名がついたのだそうです。バスはこの湖沼地帯の一番奥まで入ります。
観光バスも続々と入ってきました。
 ここから遊歩道が始まります。
団体さんは観光スタイル、こちらは山仕度、もうごちゃごちゃですが、それぞれに別れてすぐ静かになりました。

dscn3249.JPG dscn3248.JPG

  鶏頭場の池               池畔のカツラの木

 とくに人気なのは青沼で、ごく小さい沼ですが青く澄んだ不思議な色をしています。そのあたりからお目当てのブナの原生林が始まりました。

dscn3252.JPG dscn3251.JPG

 青沼                   ブナの原生林  

しばらくは原生林の中を歩きます。ただブナの太さは1mまではゆきません。
ここはまだ海岸から僅か10kmくらいですから、白神山地のほんの入り口なのです。
八幡平西麓のブナにはとてもかないませんが、雰囲気はたしかに原生林です。
いかにもクマやカモシカなどの出てきそうな深山で、こんなに簡単に訪れることができるとは実にありがたい話です。
それこそお互いに大切に守ってゆかなければなりません。できればもう少し尾根道に入ってみたかったのですが、あいにく本格的な雨になってきました。目的の原生林は充分見たので大満足。
ここで白神に別れを告げることにして、ふたたび五能線に戻りました。
今度は上りの普通列車です。
しらかみ号も良いのですが、ローカル線はやはり古い列車でゴトゴトゆくのが一番ですね。
秋田で「こまち」に乗ると、もうあとは一気に東京を目指します。
途中の田沢湖近くの沿線に、はじめてスギの原木集積所を見かけました。
それが前に見た線香林の直径
10cmくらいの細い丸太ばかりが山のように積んであるのです。
どこかで皆伐したのでしょうが、柱にもなりそうにないので一体どのようにして利用するのでしょうか。何はともあれ今回は、JR東日本の「大人の休日」期間限定3日間乗り放題のおかげで、みちのくの原生林をたっぷりと楽しむことができた次第です。
   記   吉澤有介    「了」

  

みちのくの原生林を巡る(その1) 2010.7.4

カテゴリー: 紀行文   by editor5 @ 22:22:38

 我が国の自然林はその殆どが人手の入った二次林であるといわれています。
古くからの原生林はごく一部に残されているだけなのです。
今夏はその希少な原生林を求めてみちのくのひとり旅をしてきました。
梅雨空の東京を7時の「はやて」に乗ると9時半前には盛岡に着いています。
予想通りここは青空で岩手山もその雄大な姿をみせてくれました。
駅前からすぐに路線バスで八幡平頂上に向かいます。
岩手山の北麓の牧草地をまわって、八幡平アスピーデラインに入るとやがて見事な白樺の林となり、それが次第にアオモリドドマツに変わってきました。
黒谷地を過ぎるとあちこちに残雪があらわれ、あたりはすっかり高山の風景です11時半にはもう八幡平頂上駐車場着ですから、全く信じられないほどの早さでした。
ここはすでに標高1600mで、先ほどまでの下界の暑さを忘れてしまいます。
岩手山はガスに隠れてしまいましたが、お天気は何とかもちそうです。

八幡平の頂上一帯には、広大な湿原と多くの池があって、さまざまな高山植物が迎えてくれました。遊歩道もよく整備されて、どなたでも快適に歩くことができます。
東京からこんなに早く、これほどすばらしいお花畑に出会うところはまずありません。尾瀬も人気がありますが時間もかかり、しかもかなりの健脚が必要です。

高齢者向けとしては、この八幡平が一番でしょう。日帰りも充分できます。

dscn3198.JPG dscn3200.JPG

     八幡沼に向かう道                       コバイケイソウ

  

 私の好きなチングルマは一斉に咲き揃っていましたし、水辺にはミズバショウも群れていました。時期もちょうど良かったようです。
それなのに人影はほとんど見えません。

dscn3229.JPG dscn3232.JPG

          ガマ沼の残雪                   アオモリトドマツの原生林

晴れていたら岩手山から早池峰山や鳥海山まで見えるようですが、これは残念。
今夜の宿は西の麓の後生掛温泉と決めていたので、このまま秋田県側のバスで下れば極楽ツアーなのですが、今回はなんとしても八幡平西斜面の原生林を見たくて、やや無謀にも一人で大沼方面のコースを下ることにしました。
お天気も持ちそうでしたし、装備も一応は揃えてきたからです。
しかし、しばらく歩いてから気が付きました。ここはクマの王国でもあったのですね。だれも通る人はいないので、これは大変と覚悟を決めました。
クマ除けの鈴を鳴らし、あたりに気を配りながらの3時間はそれ以上の長さにも感じます。

 

dscn3239.JPG次々に湿原が現れ、アオモリトドマツも次第に大きくなってくると、やがて台地の端の急な下りになり、足元に気を取られているうちに、あたりはいつのまにか鬱蒼としたブナの原生林に変わっていました。
直径
1m以上もある巨樹が続々と迎えてくれます。
樹齢はたぶん300年は優に超えているでしょう。
原始の姿に霊気が漂って、写真に撮ることも怖いほどに圧倒され、どうしてもシャッターを押すことができません。ついにここでの記録はなしです。
私にとっては旧制新潟高校山岳部時代の飯豊山以来の懐かしい原生林で、クマの怖さも足の重さも忘れて、しばらくは夢の中を歩いているようでした。

ようやく後生掛温泉が見えてきたのはまだ明るいうちでしたが、先ほどからすっかり雨になっていましたから、高齢者にはすこしムリをしすぎた山旅だったでしょうか。
今後はもうすこし自重することにしましょう。「続き」  記 
吉澤有介