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K-BETSたより

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2017/10/24 火曜日

蔵前バイオ通信 第47号 2017年10月15日

カテゴリー: メルマガ:蔵前バイオ通信   by k-bets 編集長 @ 11:02:01

*******************目次 ***************************

  1. 技術情報検討会(吉川)
  2. 事業化推進検討会(清田)
  3. アルジェ研究会(廣谷)
  4. 熱エネルギー研究会(進藤)
  5. 林業システム研究会(渡辺)
  6. Kシステム開発プロジェクト(清田)
  7. 竹林プロジェクト(篠崎)
  8. バイオチクプロジェクト(渡辺)
  9. ホームページによる情報発信
  10. 世界のバイオマス

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暑い夏が終わり、すごし易い季節になって参りました。K-BETSメンバーも8月の夏休みを終えて本格的活動を再開しました。

 

例会時に勉強会を開催しました。

  • 9月5日 :「ニュージーランドの紀行」 講師 吉川 浩 氏

勉強会の趣旨から少し外れますが、暑気払いを兼ねて、ニュージーランド紀行の話をしました。

ニュージーランドの面積は日本の約8割、人口は470万人程度で、日本とは比較にならない低い人口密度の国土に人口の10倍の羊が飼われています。主な産業は酪農業で、酪農製品、肉類、林産品、機械類を輸出しています。

バイオマスエネルギーについては、特筆する事は何もありませんが、豊富な水を利用して、電力の8割を水力発電で賄っています。林業に関しては、かっては、国土の8割が森林でしたが、イギリス人が入植して以来、森林を伐採して牧草地に変え続け、一時は、森林は2割近くまで減少しました。現在は国策で植林を進め、増加しつつあります。そして、林産物は国の主要な輸出品となっています。

さて、旅行の方は2008年1月18日~31日に、ワンゲル仲間5人に2人の奥様が同行し、7人で出かけました。主目的は南島クック山(3754m)付近のトレッキングと南島の南端に近い(日本では稚内とほゞ同じ緯度)、氷河が多い、人気の高いミルフォードでの山小屋4泊4日間の魅力的なトレッキングです。ニュージーランド内の移動の足はレンタカー、

見渡す限りの羊の牧草地、ゆったり流れる大河や美しい湖、クック山の雄姿、そして、雨の多いミルフォードならではの大きなシダ類の山道、日本とは異なる自然の花や鳥たち等、ニュージーランドの生活や風景楽しみました。そのPower Pointに纏めて見て頂きました。

  • 10月3日「台湾檜の今」 講師 宮地 利彦 氏

檜は温帯域でのみ生育する大変優れた建築用材で、日本の林業の主要な樹種です。しかし、日本には巨木がほとんどなく、木造文化財建築物の修復には台湾檜の巨木が多く使われています。台湾では20世紀初頭から林業が盛んでした。しかし、1992年に檜の伐採を禁止し、生態系保護、文化的活用に舵をきりました。

現在、高度約2,400mの阿里山森林遊楽区には紅檜の自然林が残り、巨木群桟道が整備されていて、人気の観光スポットになっています。樹齢100年200年の檜は当たり前、樹齢2300年の香林神木と名付けられている紅檜をはじめ、樹齢1000年を超える檜が36本もあり、巨木林遊歩を楽しむことができます。

羅東森林文化園区は、台北の東南太平洋に面した宜蘭県羅東鎮にあり、大平山の森林鉄道事業時には木材収集と配送センターでした。林業が行われなくなった現在、台湾最大の森林公園となっています。森林博物館には森林鉄道ジオラマや道具の展示などにより林業の様子を知ることができます。林業屋外展示があり、蒸気機関車、木材搭載貨車が軌道幅762mm上にあり往時をしのぶことができます。かっての貯木池は池を生かしてバードウオッチング場になっています。木材彫刻展示場、子供向け遊具が整備され、公園は森林浴の散策に適したレクレーション空間で家族連れが多くみられます。市民にとって、郷土の歴史、自然史教育、エコロジー、リクレーションのための集合所になっているのです。この2箇所について、Power Pointに纏めた講師自身による撮影画像中心の資料で知識を深めました。

 

これからも毎回、有益で楽しめる勉強会を開催して参ります。多数の会員の方々の参加を期待しています。

 

1.技術情報検討会(吉川)

フランス、イギリス、中国による2040年までのガソリン車の販売禁止決定により、世界の自動車メーカーが一斉にEV車の発売計画を発表しました。今月はこの話題を取り上げました。日本では、日産がリーフの新モデルの航続距離を従来の2倍、400㎞とし、電池メーカーユアサは充電容量が従来の2倍のリチウムイオン電池を量産し、三菱自動車のアイ・ミーブに搭載すると発表。勿論、デンソーや独ボッシュ等の部品メーカーも対応していて、業界の話題はEV車一色です。しかし、以下のような疑問も生じます。①大容量リチウムイオン電池の安全性は解決されているのか、スマホやパソコンとは桁違いのエネルギーを蓄えているので、一瞬で発火する事があってはならない。②EV車が激増した時、電池材料のリチウムやコバルトなどが不足する懸念がある。③現時点では電力は未だに火力発電に大きく依存している。世界平均でWTW(Well to Wheel)でのCO2発生量はEV車で130g/㎞程度、ガソリン車が150g/㎞程度という試算がある。旧式の石炭火力発電が足を引張っている。③電池の寿命3~5年程度で劣化するならばEV車はとても高くつく。

塔検討会では、引続き、これらの疑問をフォローして行きます。

 

2.事業化推進検討会(清田)

①      JST記事抄録化事業 会員から提案のあった収益事業として「JST」が発行する化学論文の抄録を創るお手伝いを行うことを検討し、会員各位に試しに実行して貰った結果、有効な事業にはなりにくいということで、事業検討会の議題からは外すこととした。

②      K-BETS10年史 10年史にK-BETS設立時の「設立趣意書」を掲載することとした。

③      バイオマス燃料製造設備 バイオマス燃料製造設備について様々な角度から検討を行い、今後とも技術的な支援を続けることとした。

④      新会員募集 新会員募集の一助として、専用のパンフレットを作ることになった。

 

3.アルジェ研究会 太陽光池と発酵槽の生産性(廣谷)

2009年7月に横浜パシフィコで、藻で油生産の渡辺信先生の話を聴き、ついに日本が産油国になれると思い小躍りした。企業としては(株)ユーグレナ(藻はユーグレナ)、IHI&ネオ・モルガン(株)(藻はボツリオコッカス:榎本藻)、(株)デンソー(藻はシュードクリシスティス)がパイロットを造り、試験運転をし、マスコミに取り上げられ、報道されている。しかし実際にはコストが下がらなく、エネルギーとして利用する程量を確保出来ず、実際には問題がある事が分って来た。

太陽エネルギーは地上で太陽光に直交する面で1000 W/m2である。しかも日本は夏もあり冬もあり雨もあり、温度コントールも必要である。藻の葉緑素の光合成エネルギー効率は低く、バイオになるのは7%以下と言われている。つまり太陽光に頼る限り生産性を上げる事は出来ない。

米国がその事に気が付いたのか、発酵槽で太陽光を使わずに、餌を与えて、藻、微生物を使って油を造る事を始めている。そして発酵槽生産性は太陽光の100倍ほどである事も分って来た。発酵槽システムで餌を与えるとコストが高くなると言う人も居るが、生産性が100倍となると固定費が莫大に下がる。日本にはその研究者も企業もないとすれば嘆かわしい話である。

 

4.熱エネルギー研究会(進藤)

①     高性能蓄熱材による熱輸送システムの実証試験:約100℃程度の低温廃熱を輸送可能とする為に、産総研が開発した無機系の蓄熱材「ハスクレイ」の実用化が進められています。この蓄熱材は、水の吸脱着反応により放熱・発熱が可能であり、従来の固液相変化による蓄熱方式の2倍以上の蓄熱効果があるとの事です。この量産技術を高砂熱工業他3社が共同開発し、日野自動車が羽村工場(東京都)と新田工場(群馬県)間で、熱輸送システムとして実証試験を実施中です。工場の廃熱で蓄熱材を乾燥させ、輸送先の工場で水を注入して発熱させ熱利用をし、再度、廃熱のある工場で乾燥させれば、繰り返し利用が可能となる熱輸送システムです。

②     木質バイオマス発電の計画増大:本年10月から一般木材によるFIT価格が引き下げられる事で、事業者による大規模発電所の新設計画が増大しています。但し、燃料は輸入材が主体であり、発電所も臨港に位置するので、地域国産材利用による林業再生は課題になると思われます。

 

5.林業システム研究会(渡辺)

①      竹林整備の要となる「竹炭の製造」を、安全に安価にできる「半開放式炭化炉」の普及活動を支援して、各地の竹林整備団体への啓発を支援していきます。

②      様々な地形の竹林整備で、伐採したり竹材の収集が大きな課題です。「マッシュプーリー式」の実情を把握して、さらに改良点を追求していきます。

③      「林業の近代化」、「生産性の大幅改善」が、今後の重要課題になっています。「スマート林業」の看板で、各方面、各組織の取り組みが活発化していますので、研究会として「最新情報の把握」と分析評価が必要です。ご協力下さい。

 

6.Kシステム開発プロジェクト(清田)

①   Kシステム新規システム製作の支援を頂く企業が決まり、その企業との間で「新契約書」作成段階に入った。新設備の設計製作作業を現在精力的に進めており、本年末には、これまでの試行で得られた様々な課題に対する対処を取り込んだ新システム試作品が完成し、実地テストを始められる見込みである。

②   新システムは商品化に耐えるものにしたい。障害物や凸部の乗り越え、傾斜部での材の横流れを緩和する為の新機器を開発することになり、詳細検討中である。

③   新システムの稼働前現場テストをどこで行うか、実地試験の対象、試験内容などについて具体的な検討をすることになった。

 

7.竹林プロジェクト(篠崎)

①      大型炭化炉DECAの実用新案特許の手続き補正を実施しました。

②      生態工学会関連行事でタイのカセサート大学でConferenceに参加して、竹林整備問題の有無を調査しましたが、タイのバンコク周辺の竹はすべて熱帯性の竹で繁殖力が弱く、しかも竹を日常的に使うので、日本のような放置竹林が無いことを確認しました。

③      いすみ竹炭研究会の竹林整備イベントに参加し、顧問として種々のアドバイスを行いました。当方の紹介で千葉日報にも記事が掲載されました。

④      群馬県と静岡県でのシンポジウム開催準備を進めています。

 

.バイオチクプロジェクト

①      (株)ファインテックとの協力で、竹パウダー成形品の開発を推進しています。竹の素材を活かした「新価値商品」として、一般の方への普及を目指します。

②      「かぐや姫プロジェクト」と名づけ、新しいiアイデアの具体化を支援していきます。樹木の回復剤として、呼吸するパイプ『ブレスパイプ』の商品開発に協力して、今年の春から取り組んでいます。さらに、施行が手軽に出来る【短筒型パイプ】の開発を支援して、竹炭と竹パウダーの利用拡大を目指しています。新型の容器は、オール植物由来のバイオプラスチック製です。(日本初)

 

9.ホームページによる情報発信

主に本会会員吉澤有介が要約した一般図書。および荒川英敏による報告です。

①   「人類と気候の10万年史」中川毅著2017年10月4日 [気候・環境]

②   「超能力微生物」小泉武夫著 2017年9月5日  [林業・農業]

③   「日本列島SOS」 桜井邦朋著 2017年9月1日 [気候・環境]

④   「三つの石で地球がわかる」藤岡換太郎著2017年8月24日[自然]

⑤   ロンドンの救急医療を体験 2017/8/14[社会・経済・政策]

⑥   英国GWRが日立製新型高速列車 802型の試験走行を開始 2017/8/12[社会・経済・政策]

⑦   「地球を(売り物)にする人たち」マッケンジー・ファンク著2017年8月10日 [気候・環境]

⑧   多国籍企業100社が100%再生可能電力をコミット2017年8月9日[未分類]

⑨   「野鳥と共に四季の山旅」大津雅光著2017年8月1日 [人体・動物]

⑩   乗用車より早くEV化が急がれるトラックとバン2017年7月31日 [気候・環境]

 

10.世界のバイオマス情報トピックス

特別顧問 佐野 勇 による世界のバイオマスから抜粋したトピックスです。

詳細はhttp://www.kuramae-bioenergy.jp/world/をご覧ください。

①      米エネルギー省の2017年度予算 これまでのバイオ燃料一辺倒から、高付加価値のバイオ化学製品の比重も高くなったことが特徴で、燃料に使う糖と高付加価値製品の原料となるリグニンの二つの最適利用に重点が置かれている。

②      再生可能なエネルギー/化学製品への隘路対策 アリゾナ州立大学の研究者が、バイオベースの液体燃料と化学製品を作る技術の可能性を予測し、工業用大腸菌によりリグノセルローズからバイオ燃料を作れる可能性の大幅な改善と、同様の遺伝学的方法を多種類の大腸菌にも応用すれば、多数の製品の製造にも利用できる可能性を明らかにした。

③      世界の木屑利用プロジェクト 環境保護論者の警告をよそに、建築資材や製紙原料用としての木材の利用が世界的に増えている。学者の間でも森の健康を維持するためにはもっと切るべきという意見と伐採のしすぎを警告する意見があり、どちらが正しいか判断は分かれるが、利用されていない残材は確実に増え続けている。

④      海草栽培研究用の専用船 需要の拡大が期待される海草産業の本格化に備えて、ノルウェーではこれに必要な研究用船舶の建設を進めている。まだ設計段階だが種まきから栽培、収穫、アルギン酸塩の抽出、保管、輸送までの研究に備えた研究用専用船の建設を進めている。

 

特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)

http://www.kuramae-bioenergy.jp/

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