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K-BETSたより

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2014/4/9 水曜日

蔵前バイオ通信 第28号 2014年4月03日

カテゴリー: メルマガ:蔵前バイオ通信   by k-bets 編集長 @ 14:54:37

  *******************目次 ***********************

1.26年度Kシステム検討会実施計画決まる
2.
竹炭製造方法の改善

3.14年度の再生エネ買取り価格見直し

4.再生エネの熱利用に関するインセンチブ検討チームを発足
5.大政謙次さんのミニ講演会 3/11

6.スイートソルガムからエタノールを
7.新入会員の紹介など

8.阿部会員ご逝去
9.ホームページの内容と更新状況

10.世界のバイオマス情報
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1.26年度Kシステム検討会実施計画決まる
4年間に渡って取り組んできている新集材方式(Kシステム)の改善について、今年度緑の募金の支援が得られることが3月に決まりました。利便性など作業性の改善と取扱い設備の軽量化に重点を置いて多くの関係者立会のもと問題点の発掘と解決ををはかるものです。秩父市大滝地区の山林を会場に、「秩父の森づくりの会」の協力を得て上げ荷、下げ荷の集材を行うものです。山梨県道志村の山林についての導入検討も行います。
2.竹炭製造方法の改善

NPOたけもりの里の協力を得て竹炭を効率よく如何に安く作るかを昨年末から3回の実験を繰り返してきました。工夫を加えて大型燃焼炉を考え、炭の消火方法に改良を加えることで設定目標値(中国産に対抗できる)が見えてくるところまでたどり着きました。収率の大幅アップで達成できましたが更に改良を加えるべく竹林タスクチームは熱が入っています。参考:たけもりの里 http://takemori.org/
3.14年度の再生エネ買取り価格見直し
新聞情報をベースにしたK-BETS内での検討内容:
12年度から始まった制度も太陽光に偏ってしまった結果再生エネ比率が1.6%台(12年)と低迷しています。独・スペインなどの十分の一で政府の推進方針が良くなかったことがはっきりしてきました。再生エネ全体をバランス良く増やすために新年度は太陽光の価格を下げ、風力のうち洋上風力発電を22円から36円/kWhに大幅アップする方針です。陸上の風力は強い風が期待できる場所が、北海道や東北の一部で消費地が遠く発展が期待できない。洋上は重電機械メーカーの参加が期待でき、消費地に近い所を選択できる可能性があります。海底ケーブルの敷設、電力受け入れのインフラや漁業権を持つ漁協との調整などが必要になります。

4.再生エネの熱利用に関するインセンチブ検討チームを発足
日本の再生エネルギー利用率が上がらない要因の一つに熱に関して電力買い取り制度(FIT)のような仕組みがないことです。
木質バイオマス発電では電力変換した後の熱エネルギ活用も考慮すると再生可能エネルギの利用効率は高められます。地中熱ヒートポンプや蓄熱槽の様に熱として直接取り出す熱源の活用もあります。そこで、再生可能エネルギ資源による熱エネルギーの活用方法や評価および促進を図る方策などを検討する「熱エネルギー研究会」を発足しました。英・独では熱利用補助金制度などで再生エネによる熱エネルギー利用を促進しているので、この仕組みも参考にする予定です。英国の例は荒川レポートがあります。http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=310

5.大政謙次教授のミニ講演会 3.大政東大大学院教授から映像をみながら興味あるお話をたくさん伺いました。オランダの農業については狭い農地で米国など大農業国に匹敵するような収入を得ている話がありました。欧州各国の需要家にいかにして売り込むか、新品種や新技術をどう開発するかグローバルな情報化社会を生き抜いている姿の紹介が印象的でした。先生のリモートセンシング技術は航空機(ヘリなど)や人工衛星までを駆使して画像を使った植物の成長している姿をとらえる先駆的な技術であります。植物は3次元空間構造を持ちそれが環境との関係で成り立っていることに注目しました。植物の蒸散・光合成・成長といった機能を画像によって追跡しているものです。我々のテーマである森林に関してより多くの情報が得られそうで期待しています。キーワードはLIDAR(レーザー画像検出と測距

6.スイートソルガムからエタノールを
標記植物はサトウキビに似た植物で高さ5mにも及ぶバイオ燃料植物である。休耕田に育ててエタノールを作ったら農業の活性化の一助になるのではないかと新田洋治教授など茨城大学が取り組んでいます。食料と競合しない、荒れ地でも育つ、東北の被災害地で塩害の軽減やセシウムの除染効果があることなどが確認されエタノールの製造コストも採算のめどが立ってきたという。本年度は「JAが協力して農家が種まきから収穫 茨城大が精製を担当」する実証試験を開始するとの情報を茨城大学三輪教授などから得ています。注目しましょう。
7.新入会員の紹介など
土屋二彦さま、湯浅宗浩さまが賛助会員として入会されました。再生可能エネルギーやバイオマスエネルギーに興味を持たれての参加です。初の海外の会員として韓国から鄭賢哲(ジョンヒョンチョル)さんが入会しました。ジョンさんは日本の大学を卒業されて現在バイオマス関連の製造・販売会社に勤めています。韓国情報もたくさん入って当会もグローバル化が一層促進されそうです。6月ごろに講演会を計画しています。これからの林業行政について林野庁からお話を伺うのと山林大地主の王子ホールディング(株)から山林資源をどのように活用していくかを紹介していただきます。
8.阿部英二郎さんご逝去
K-BETSにとってかけがいの無い人、阿部さんを失ってしまいました。3月5日、治療中の病院で入浴中に意識を失ってしまったということす。技術に偏った人間が多い当会の中では発想にしろ行動にしろ極めてユニークな方でたくさんのことを教えて頂きました。特に人間関係を大切にされる方で彼の人脈を通じて当会が一肌脱皮でき、大きく成長させていただきました。衷心よりご冥福をお祈りいたします。なお会員の方々の「思い出の言葉」をホームページにまとめています。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_info_b/?p=443

**********.ホームページの更新 **********
以下は吉澤有介さんに要約して頂いた専門書です

(1)「植物のあっぱれな生き方」 田中 修著  動物のように動けない植物は光合成でエネルギーを、発芽条件が整ったら発芽を、先端の芽を食べられても側芽を伸ばして成長していく。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=328

(2)「植物はそこまで知っている」D.チャモヴィッツ著  脳を持たない植物は光、気温や空中化学物質を感知してその情報を伝え合っていることをDNAの研究で分かってきている。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=335

(3)「世界農業遺産」武内和彦著  近代農法が行き詰まっている現在伝統農法が見直されている。佐渡・能登・阿蘇・静岡・国東半島に残る地域農法が世界遺産に登録された。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=334

(4)「土の文明史」 D.モンゴメリー  文明は豊かな土壌があって成り立ってきた。人口増加、乱開発、都市化や近代農法によってこれらの土壌が消えつつある。ミミズのいる有機農業に復帰する必要がある。
http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=330

(5)「北からの世界史」 宮崎正勝  地球温暖化により氷河が溶けて新航路が生まれる変化が起きている。ロシアとアメリカによる北の地の歴史を語る。http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=332

**********10.世界のバイオマス情報 **********
1)藻の利用と新しい開発方法

藻は半塩水、塩水や栽培放棄農地でも、貴重な清水や農業用地を侵すことなく高収率で栽培することができると改めて注目を浴びている。

新しい品種の菌を見つけても実際に培養するとそれとは違う菌に変化してしまい再現できないことが藻取扱いの難点であった。ミシガン州立大でコンピューター制御の藻燃料用光ビオリアクタが開発された。この装置は自然環境をシミュレートできる機能を備えているので研究室と製造現場のギャップを埋めることが期待できそうです。

2)発酵に頼らない化学処理によるバイオ燃料の製造

米国の大学でセルローズ系の第2世代バイオ燃料を対象にしたパイロット規模の高速熱分解装置が稼働を始めた。別の大学ではバイオマス由来のレブリン酸から自動車用燃料を高収率、短い反応時間で作る工程を開発した。原料にはワラ、トウモロコシの葉茎、野菜くずから得られるレブリン酸を使う。

3)ゴミを利用しないのは損失である

欧州では農林業の廃棄物と家庭ゴミを合わせて年間約9億トンの廃棄物が発生している。用途が決まっている分を除き、農林業で発生する1.6億トンと家庭からのゴミの5千万トンは利用できると推定している。これから得られる液体燃料は現有技術で石油換算36百万トンと推定され自動車燃料需要の16%に相当する量だという。新規雇用も30万人規模で生まれると見ている。これを推進するには政府内に計画を総合的に行う専門組織をつくることが必要である。英国国内で活発な議論が展開されている。資源のない日本ではゴミの活用にもっと注目し、取り組む必要がある。

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