蔵前バイオ通信 第23号 2013年06月01日     

  *******************目次 ***********************

1.第8回通常総会を開催

2.24年度の活動報告と25年度活動計画
3.平成25年度の新人事

4.第4回Kシステム体験・見学会(千葉県君津市三井物産亀山の森)

5.道志の湯のガシファイヤー稼働状況
6.ロンドンより有機食品や新幹線の情報

.ホームページの内容と更新状況

8.世界のバイオマス情報-佐野レポートから抜粋
(1)2020年にはジーゼルがガソリンを抜く

(2)今年も緩慢な 次世代バイオ燃料の開発

(3)2013: 藻バイオ燃料の将来が決まる年

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1.第8回通常総会を開催
第8回総会は5月23日東工大CIC8階の産学連携談話室にて14時から19人の参加者を得て開催されました。第1号議案:H24年事業報告書、第2号議案H24年決算について承認されました。監事の選任は宇高克己が任期終了し新たに深田智久が就任しました。引き続いて合同会議が行われ理事会で決まったことの報告が行われました。新人事、H24年度活動報告とH25年度活動計画、それに伴う予算内容の説明が主な議題でした。その後17時から懇親会が行われ16人が参加しました。新任役員がそれぞれ抱負を語りました。来賓として蔵前工業会からベンチャー相談室長・中島さんが参加されました。竹林タスクのリーダー篠崎さんから竹酒「竹の舞」が披露された。40cmの孟宗竹の筒に入ったもので中国では昔からこれを飲むと寿命が更に百年延びると言われているという。皆で少しづつ分けあって飲みました。

2.24年度の活動報告と25年度活動計画
平成24年度は国土緑化機構の助成金を得て木質バイオマス集材システムの体験会を4回実施することができた。藻類関係のアルジェ研究会と関連プロジェクトは着実に前進しつつある。竹林タスクチームも発足し活動を開始、竹の資源としての有効利用を目指して動いている。木質バイオマスについてもガス化発電と併行してガシファイヤーなど薪炭としていかに有効に使えるかについても検討を行っている。平成25年度についてもこれらを継続していくとともに「私たちの志を形にする」ことを目標に「K-BETSならできる、K-BETSにしかできない」ことの確認をしつつ行動の指針としていきたい。Kシステムについては今年も補助金を獲得して更なる実用化を目指したい。当NPOは今年度から総務省の管轄から東京都の管轄に変更になり活動報告書や会計決算書などの形式が多少変更になっている。

3.平成25年度の新人事
変更になった役職のみをとりあげます。
「新任」 副理事長:米谷栄二(事務局長兼任)、常務理事:進藤昭夫、理事:宮地利彦、監事:深田智久の4名。
「退任」 理事:川畑宏二(顧問)、監事:宇高克己の2名。
事務局は局長:米谷栄二、次長:脇野紘胤理事、次長:大塚理事の3人で担当し、講演会企画委員会のリーダーは進藤理事が務める。

4.第4回Kシステム体験・見学会(千葉県君津市三井物産亀山の森)
緑の募金の支援を受けた最終回を5月30日(木)生憎の雨模様の中10時より亀山の森にて実施しました。26人の見学者と作業の実行を担当された三井物産フォレスト6人、K-BETS関係者14人の総勢46人で行いました。準備は前日までに充分済んでいたのですが傾斜が少なく集材の実演には物足らないのではないかと懸念していたのですがこれが却ってって良かった。見学者が下から上の伐採現場まで自由に行き来できたのでシステムのポイントを充分学ぶことができたからです。1時間に9本の13m長さの木材を連続搬送する場面を見ることができました。質疑応答も活発にでき、お互い満足できる見学会になりました。急斜面の動きは動画で見、見学の場は平坦に近い所が良さそうです。山ヒル対策は木酢液を足元に塗って対処しましたが数名の方は身近で経験してしまったようです。見学者は千葉県からの、特に女性の方の参加者が目立っていました。過去の見学会についてはホームページ「活動ファイル」のカテゴリー「木材の収集システム」を参照下さい。 当日の様子を次のレポートにまとめています。http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=799

5.道志の湯のガシファイヤー稼働状況
チップやペレットに加工しないで薪そのものを燃す従来型のボイラーやストーブに関心を持っています。中でもガシファイヤーに注目している。道志村の温泉で灯油に代替する目的で導入された5基のガシファーヤーの稼働状況と問題点について岸本会員が調査・報告しています。やはり薪の乾燥度を均一化し上げていく必要があるようです。道志村の薪材収集の仕組みも紹介しています。
   http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=781

6.ロンドンより有機食品や新幹線の情報
英国ロンドン駐在中の荒川会員から3本のレポートが届いています。
(1)有機食品が店に溢れている。市場は1995年比17倍の規模拡大に達して農薬や化学肥料を使わない野菜や果物、人工飼料を使わない肉・卵・乳が人気を得ている。
   http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=772

(2)食糧自給率は百パーセントを超える。戦前は植民地からの輸入に頼っていたが植民地が無くなってからは農業法を制定して自給率の向上を目指した。様々な政策を実行し1980年代初めには自給を達成している。日本もやり方を学ぶ必要がある。
   http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=786

(3)日本製(日立)の英国新幹線が抜群の操業成績で信頼を得ている。欧州では新幹線網が整備され独・仏・英などを結ぶユーロスターが運航中である。オリンピック中の観客輸送が時間通り行われたことや大雪の時独・仏製車両が故障で動けなかった中英国の日本製車両は素知らぬ顔で運行していたことが国民の信頼を得て新たに建設される都市間の高速輸送システムのサプライヤーに日本が選ばれたという。

  http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=790


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.ホームページの更新 **********
(1)「日本はエネルギー大国だ」 山口裕史著 吉澤有介
ノヴァエネルギー鈴木社長鈴木さんの潮流発電への取り組み
  http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=280

(2)サッチャー元首相死去のニュース 荒川英敏
英国病からの脱出に成功した偉大な政治家の死に英国民は・・
  http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=282

(3)「人工冬眠への挑戦」市瀬 史 吉澤有介
冬眠する動物を研究・・加齢を遅らせる研究。硫化水素が導入物質としての役割を果たしている可能性あり、温泉療法の見直しにもつながる。
  http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=289

(4)「複合汚染」 有吉佐和子著 福島 巖

http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=290
中国で進む食と環境汚染、日本も何年か前は汚染列島だった

(5)日本水産業の現状と課題 八田達夫、高田真共著 吉澤有介
漁獲量減少の一途を走る日本、漁業権問題と幼魚を取りつくす市場管理のなど決定的な問題点を指摘している。
   http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=293

******.世界のバイオマス情報-佐野レポートから ********
現在佐野さまのご都合により「佐野レポート」が休筆されています。しばらくお待ちくださるようお願いします。

(1)2020年にはジーゼルがガソリンを抜く
エクソンが発表した2040年までの世界の輸送用燃料需要予測によると、乗用車の燃費改善と商業輸送の拡大の影響で2020年にはでジーゼルがガソリンを抜き、2040年までの調査対象期間中の需要増加分の70%をジーゼルが占める。商用の輸送用燃料需要の成長分の80%は途上国の需要である。フルハイブリッド車のシェアは2040年に40%2040年には新車販売の50%を占める。

(2)今年も緩慢な次世代バイオ燃料の開発

トウモロコシに代わり植物の廃棄物などを使う先端バイオ燃料の新規メーカーが少数ながら規模拡大を考える時期にきてはいる。2013年はきわめて重要な年になる。KiOR2012年の決算を発表、2012年には初のセルローズを使ったジーゼル製品を年間生産量300-500 万ガロンのミシシッピ工場からの出荷を始めた。ZeaChemも、年産能力25万ガロンのオレゴンの実証工場でセルローズ系の化学製品とエタノールの生産を開始した。さらにデュポンがセルローズ系エタノールの生産工場の建設に着工した。期待外れの遅れが続いたセルローズ系バイオ燃料としては記録すべき進展ではある。石油大手のBPはアメリカに次世代バイオ燃料の工場を建てるという計画を破棄した。

(3)2013: 藻バイオ燃料の将来が決まる年

藻バイオ燃料に賭けるメーカには2013年は転機の年となる。2011年に株式公開に踏み切ったSolazymeが本来の目的である燃料用藻油製造の最終段階に入った。ブラジルのBungeとの合弁会社で最初の量産工場の建設が進んでいる。年産10万トンから始め年間30万トンに拡張する。研究開発の面ではスペインの大学が海藻の回収―水洗―乾燥の工程を経てペレット化バイオ燃料にすること、藻類の水素生産能力に注目して開発を進めるウプサラ大学チーム、アオコからブタノールを作るスウェーデンの大学情報がある。
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亀山のKシステム体験会の模様 

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