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技術者がバイオマスを語る-コラム

バイオマスを技術者が語る-コラム

2010/6/25 金曜日

バイオ燃料を藻類から ー 日本は積極的に推進すべし

カテゴリー: K-BETS雑感   by editor5 @ 11:53:04

 日本経済新聞―2010.5.22 第一面トップ記事
     バイオ燃料を藻類から
ー農水省、トヨタ・中大などと共同研究 
藻類で飛行機や自動車を動かすー

農林水産省は企業や大学と連携し、湖沼などに生息する藻類を原料としたバ
イオマス(生物資源)燃料の開発に乗り出す。
月内にもトヨタ自動車や中央大学などに委託する共同開発に着手、2020年を
目標にガソリンや軽油の代替燃料の実用化を目指す。
産学による新エネルギー創出の取り組みを本格させ、温暖化ガスの削減につ
なげる。
農水省が手がけるのは、「シュードコリシスチス」という藻類を育
てて内部にたまる油を取り出し、ガソリンなどに代わる燃料を精製する仕組
みづくりの研究。
10年後を目標に藻類から自動車や飛行機などに使う石油の代替エネルギー
を抽出、量産できる技術を開発する。国内で消費する軽油の1~2割を賄え
る体制を整えたい考えだ。こ
の開発にはトヨタやデンソーのほか、京都大学、バイオ
ベンチャーのマイクロアルジェコーポレーション(岐阜市)など9社・大学が参加する。
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藻の研究は、日本はアメリカに遅れていると気がついた政府は、産学との連
携を財政面
からも支援すると閣議決定したようです。
ここに
K-BETSも関係持ちたいものです。
廣谷 精拝
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佐野レポートから把握している状況では今まで日本の政府関係者は藻類からのバイオエネ
ルギーの可能性について無関心であったと思われます。
2020年を目標に代替燃料の実用化を目指して、取組を開始したと言う情報ですがアメリカ
政府関係、州政府の動きや関連ベンチャー企業の活発な状況からすると
雲泥の差の様に感
じられます。
その大きな原因として考えられることは、日本の土地利用に関する観点からの検討が大き
く欠落している様に思います。
日本には広大な耕作放棄地があり、今では40万ヘクタール以上、全耕作地の10%以上が
何も栽培していない放棄地となっている。
この半分の土地に藻類などの生産にあてる長期
計画を構想するならば、
パームオイルの20倍のバイオマスエネルギー生産が可能なる事業
が創出される。
この可能量の推計には、廣谷様のコラム投稿論文などにも事例が載せられていますが、
本の森林の林地残材から得られる可能性のあるエネルギー換算総量に匹敵する以上の
潜在
可能性があります。
不足しているのは、その潜在可能性に目を向ける技術開発への取組体制でしょう。
日本の農水省は、2002年にバイオマスニッポン総合戦略を立案して、エネルギー化の可能
なバイオマス賦存量を推定したが、これには、藻類に関する可能性は全く
触れていない。
それを改訂して強化した2007年でも、藻類に対する取組姿勢は全くゼロに近かった。
それがやっと、ここにきて、共同研究に支援をすることになったという段階であるから、
メリカに遅れる事は数周の開きがある様に思います。
また、日本は海洋国家であるにも拘わらず、日本沿岸の恵まれた内浦を利用しての、海藻栽
培、養殖技術の土台があるのに、少しも研究体制を強化することをしないで、
単純に漁業地
帯の過疎対策程度の支援しかしていない。
一方、中国では、沿岸部に1400kmに達する人工の藻場(海藻の養殖地帯)を造り、既に航
空機燃料用への利用事業の検討に着手している。
日本はアメリカの様に、大きな陸地を持っているわけでもないので、必然的に将来の課題とし
ては、海面を利用する方向に行かざるを得ない。
それには、海水でも養殖出来る海藻の研究と人工栽培、それのバイオ燃料化への、生産性の優
れた技術開発が、もっとも必要になる方向である。
 着手
の順番としては、淡水の藻類から研究する方向もあるが、海藻の養殖業はすでに、地場の
産業として実績があるから、それを近代化したり拡大していけば、
2020年を待たずにして、バ
イオマスエネルギー産業に育てることは可能性があります。
大きな課題は、日本の政府関係者と地域の産業育成に関して、藻類のバイオエネルギー産業を
育てる意識が、ほとんど欠落している現状を変えていくことにあると思います。
        渡邊 雅樹
  

  

2010/6/22 火曜日

植物はなぜ5000年も生きるのか鈴木英治 講談社

カテゴリー: 本を読んで   by editor5 @ 17:35:18

  - 寿命からみた動物と植物のちがい -

 著者は鹿児島大学理学部地球環境科学科教授(理博)で植物生態学の研究者です。
縄文杉の樹齢は7200年といわれていましたが、最近の放射性炭素による測定では約3000年くらいだそうです。
それでも生物の寿命としてはたいへんなものでしょう。
世界で確認されている最長樹齢は、アメリカネバダ州で発見されたイガゴヨウマツで、切り株の年輪は4844あったので、そのまま生長させておけば5000年にはなったものと見られます。
 
動物ではとてもこうはいきません。人間では最近寿命が延びたといっても、100年を超えることは稀です。哺乳類ではナガスクジラが116歳、動物としてはゾウガメが200歳くらいのようです。ツルになるとせいぜい80年といいますから、伝説とはかなり違います。
 植物も動物もすべて、約38億年前に誕生した生命の祖先から生まれてきたものと考えられていますが、その寿命の違いは、生命体を構成する基本となる細胞の性質と、生物が進化しながら先祖の性質を伝えてきた遺伝子がカギになっています。
 生物体の特徴の一つは有機物でできていることですが、もっとも基本的な特徴は自己複製能力にあります。自分の複製をつくる方法は、植物も動物もバクテリアまでさまざまな生物の間で驚くほど共通しています。
そのメカニズムはかなり明らかになってきました。
 一方、死についてははじめからあったわけではなく、生物進化の過程で生まれてきたのだそうです。最初の単細胞生物では、自分と同じ細胞を次々に複製してゆきました。みな同じ遺伝子を持っているので、分裂した細胞集団はすべてが自分自身ですから、死ぬことはありません。ところが生物は、ほとんどの種が有性生殖を採用するようになりました。有性生殖の結果できた細胞は、自分の遺伝子を半分持っていますが、あとの半分は他の個体からきたものです。つまり自分自身が消えて、新しい生命が生まれるというわけです。そのためにもとの個体は死ぬということになりました。 ではなぜそれほどまでして有性生殖を採用したかについて、著者はこれをピンチに立った会社が他社と合併して生き延びるようなものだといいます。遺伝子は使っているうちにどこかが壊れてくるので、それを修復するために別な個体と遺伝子を交換しているというのです。他の個体でもどこかが壊れてはいますが、その場所はまず一致しないからです。 では長生きは生物の理想なのでしょうか。生物にとって本当に重要なことは、自分のDNAを伝え広めてゆくことです。「利己的な遺伝子」を書いたイギリスのR・ドーキンスは「生物の個体はDNAの乗り物」といいました。そうすると個体が長生きするかしないかは、大きな問題ではありません。新しいクルマに次々乗り換えるか、同じクルマを長く使ったほうがよいかは、簡単には決められないことです。環境変化に適応するために世代交代を早くするか。コストをかけても体制を強化し、防御を固めて生き延びるかによって、進化の道筋がわかれてきたのです。 動物と植物の違いは、動物は動き、植物は動かないということですが、その相違は細胞の性質にあります。動物には細胞壁がなくて動きやすいのですが、身体が柔らかいので骨格で支えています。植物は硬い細胞壁でしっかりと覆われているので、動くことができません。一つ一つの細胞が、硬い細胞膜でブロックの壁のように組み立てられています。 哺乳類では、それぞれの組織が専用の分裂組織をもってどんどん成長します。ただ心臓の筋肉や神経の細胞は赤ん坊の時からもう分裂しません。もとの細胞を使い続けるのです。 また動物の体細胞には分裂の限界があることがわかってきました。分裂するたびに染色体が次第に短くなってゆきます。修復するにしてもコストがかかるので、そのまま老化してついには死ぬことになるのです。環境への適応度を高めるために、積極的に世代交代を進める、いわゆるプログラムされた死だろうという説もあります。 植物では種子が発芽すると、茎の先端と根の先だけが分裂成長します。また樹木の場合は幹や根のすぐ内側に、肥大するための新しい細胞が形成されます。これが年輪になるのです。古い細胞は死んでしまいますが、硬い細胞膜はそのまま残って構造体になります。    また組織が単純で花や葉のように同じ器官がたくさんあるので、傷ついても再生が容易にできるのです。老化することなく無現に分裂を続けてゆきます。植物では一年生草木や、繁殖して枯死する竹などを除けば、加齢によっても繁殖能力は衰退しません。健康な樹木であれば若い樹と同じように開花結実します。 木の寿命を種子の段階からみると、非常に長い間休眠するものがあります。1万年前のカナダのマメ科の種子は実際に発芽しました。おおまかにみると発芽してからの寿命の長い植物は種子の寿命が短く、発芽後の寿命が短い種子は長生きするそうです。休眠中の種子は、生育に都合の良い時期に発芽しようと待ち構えているのです。 樹木では針葉樹のほうが広葉樹より長寿です。広葉樹は年輪がわかりにくいのですが、ケヤキで1400年生きた例が放射性炭素の測定で確認されました。しかし針葉樹にはかないません。比重としては広葉樹のほうに重いカシ類がありますが、腐って倒れることが多いのです。法隆寺のヒノキは樹齢2000年ですが、1300年たった今でもビクともしません。 針葉樹の材は軽いのに腐り難いのです。その秘密はリグニンが多いことにあるのです。リグニンは広葉樹にもありますが、針葉樹のほうに多く含まれ、しかもなぜか腐り難い性質があります。樹木は硬い細胞壁に支えられており、鉄筋コンクリートの建物に例えると、セルローズが鉄筋、リグニンがコンクリート、ヘミセルローズは鉄筋とコンクリートをしっかり付着させる針金に相当するといいます。またスギやヒノキには樹脂が多く含まれて、虫からの食害を防いでいることも、長寿の大きな要素になっています。広葉樹でもクスノキが、樟脳の防虫効果で長生きしています。しかし寿命にはやはり限界があるのです。  植物は針葉樹のような裸子植物から、広葉樹のような被子植物に進化してゆきました。しかしその進化は、寿命よりも生長を早める方向にあって、中世代の地球の大変動に適応して子孫をのこしてゆくためではないかといわれています。

         2010621日  要約 吉澤有介

  

2010/6/13 日曜日

月の魔力  A.Lリバー  藤原正彦・美子訳    東京書籍

カテゴリー: 本を読んで   by editor5 @ 12:32:25

この本は世界の各国でベストセラーになって広く読まれたものです。
木を切る時期と月が関係しているとの説があったのでこの本を更に
読んでみました。
日本語訳は藤原先生御夫妻が担当しています。
先生は訳すだけでなく出産のデーターを集めて理論の正しさを証明
しました。

 月のリズム
5億年前生命は海から陸地に進出した。このきっかけは月が潮を
移動させたため浅瀬にあった生物が周期的に太陽と大気にさらさ
れるようになった。
このリズムが遺伝子に組み込まれ生命活動の中で機能しています。

魚の産卵やウナギの産卵場への移動は満月の時に行われる。
魚の食餌時刻リズムは月暦に従うので太陽暦に従うと毎日時間が
ずれて行くことになる。

満月のときに起きる生物の行動
精神病院などでは患者のおかしな行動が目立つ。魚や動物の身体
行動、代謝活動、攻撃性、性行動などが活発になる。

バイオタイド(biotide)理論
作者が提唱する理論。我々の身体は陸地と同じ成分構成で水分80
%
、他20%は個体である。海水や陸地が月の引力の影響を受けると
同様体内の水分もその影響を受けるというのが理論の中心。
水は体内の管内液(血管)、細胞外液、細胞内液の3ケ所に分か
れて存在する。
体内の水が増えると組織が緊張し膨張する、神経が興奮する。

月は引力だけでなく地球の電磁場を変化させる。
その影響が神経系統に強く及ぶため様々な精神活動が変化する。

天体のサイクルにより生体のリズムが決まる(ブラウン博士)
満月、新月のとき出産が多い。
月経サイクル=月齢サイクル(29.5日=月暦1ケ月)。
妊娠期間=29.5X9(265.8)日(月暦の9ケ月)。
太陽黒点は11年周期。
これに同調するもの:生物の総数の増減
(海藻、サンゴ、魚、昆虫など)

伝染病(ペスト、コレラ、インフルエンザ等)の流行周期 
太陽表面の爆発が磁気嵐になって地球の磁場を変化させて心臓病
の発生率を高くしている。(ロシア、デュプロフ博士の研究)

生物の進化と月
生物は海から陸上に上がった。その際潮のリズム:一週間周期で
動物の生命機能は働き続ける。動物の進化の初期に太陽や月によ
る地球物理学的リズムの上に生体機能が次々形作られていった。
我々の生活のリズムは10日単位でなく7日である。

地球物理学的リズムの例:
(1)海水の満潮と干潮
(2)陸地も水のように容易ではないが15cmの上昇があり地殻
を引っ張る力は地震の引き金になることがある。

磁場と動物の情報伝達
磁場を通じて天体現象が水の物理的性質に影響を与えている。
人間の体内水分にも同様な影響がある。細胞膜を通過する水分速
度、血圧、心臓の脈拍動が変ってくる。神経の伝達機能にもその
影響が及ぶ。

動物同志の情報交換はこの電磁波を通して行われている。
魚や鳥、昆虫など群れをなしたものが同時に同じ行動をする。
これらが生まれた場所に長い回泳や飛行の後正確に戻ってくるこ
とから分かるように磁場の微妙な変化を感知(生物コンパス)す
る能力を持っている。

人間は宇宙と力学的平衡を保っている
体内は神経インパルスに従って動く細胞群から成っている。インパ
ルスが神経繊維の中を走ると電磁場が生じる。これが引き金となっ
て化学物質を放出し筋肉や血管などを目指す細胞に伝える。
ドーパミン、セロトニンといった神経伝達物質はめざす細胞を興奮
させたり抑制したりする。       

   記  福島 巖