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世界のバイオマス最新情報

Sano Report -世界のバイオマス情報-

2008/6/30 月曜日

LLNL LH2試作タンクを公開

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 12:10:28

”世界のバイオマス関連セレクション”LLNL LH2試作タンクを公開
Lawrence Livermore Prototype LH2 Tank Maintains Extended Thermal Endurance 

Green Car Congress June 5, 2008

http://www.greencarcongress.com/2008/06/lawrence-liverm.html

ローレンス・リバモア国立研究所 (LLNL) で、水素燃料モデルに改造したプリウスハイブリッド車に搭載する燃料用の高圧冷却タンクを試作した。このタンクでは燃料 (液体水素LH2) の補充なしに、6日間の走行ができる。これまでのタンクでは2~4日が限度だった。これまでの車に比べて、長期の駐車期間中に水素を排出し始めるまでの時間が大幅に長くなった。今回のLH2タンクは絶縁高圧タンクとしてはLLNLの第三世代になる。タンク容量は151リットル(10.7kg LH2)で大きくなったが、全体のパッケージはかなり小さくなっている。エネルギー省の DOE 2007の容量目標1.2kWh/リットル、DOE2010の重量目標 1kWh/kgはいずれもクリアしている。

  

世界エネルギーの見通し

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 11:46:21

”世界のバイオマス関連セレクション”世界エネルギーの見通し
International Energy Outlook 2008 (IEO 2008)
アメリカエネルギー省 June 2008
http://www.eia.doe.gov/oiaf/ieo/highlights.html/

世界のエネルギー需要は2004年から2030年までに57%増える。うちOECD非加盟国の需要が95%増えるのに対し、加盟国の増加率は24%である。非加盟国の増加が激しい主な原因は急速な経済成長である。非加盟国全体のGDP (購買力平価条件) は年間平均5.2%増加する。液体燃料のシェアが高いことも変わらないが、2005年の37%から2030年には33%に低下する。主な理由は原油価格が今後とも比較的高い水準にとどまるためである。値上がりの原因はいくつかあるが、中でも主なものは急増するアジアと中東のOECD非加盟国の需要、2005年以降のOPEC諸国の生産伸び悩み、石油の探査と開発コストの上昇、一般的な商品相場の上昇、ドル安などである。IEO2008の予測期間中も、需要の中心が輸送用と工業用であるため、液体燃料がエネルギー源の中心であることは変わらない。。しかし2030年までの期間には、液体以外の燃料の利用が増えるために、液体のシェアは継続して低下する。
オイルサンド、超重質原油、バイオ燃料、液化石炭、液化ガスなどの新しい液体燃料が徐々に増えると考えられる。これらの新しい資源は2005年の1日わずか250万バレルから、2030年には970バレルとなり石油換算で全体の9%を占める。アメリカにおけるバイオ燃料生産の増加に伴い、バイオエタノール、バイオジーゼルのシェアが高くなる。IEO2008の標準ケースでは、2,030年にはアメリカが1日120万バレルで、世界のバイオ燃料の約半分を占めると予測する。燃焼による二酸化炭素排出量が石油より少ないので、排出規制が実施されれば天然ガスへの転換が加速する。製造業は天然ガス最大の消費市場で、2030年の需要の43%を占める。電力市場では燃料効率が比較的高い天然ガスへの転換が進み、2030年には天然ガスの35%が発電に使われる。
石油と天然ガスの値上がりが続いているため、アメリカ、中国、インドのように石炭を国内調達できる国では石炭発電が経済的に有利である。
原子力発電所が普及しない原因には、発電所の安全、放射性廃棄物処理、原子力兵器の拡散など多くの理由があり、多くの国でこれが近隣住民に不安感を与え、これが新しい動力用原子炉の開発を妨げている。そのほかに設備費、管理費が高いことも拡大の妨げになっている。このような状況にあってもなお、IEO2008の予測では2025年の見通しが、5年前のIEO2003よりも31%高くなっている。
標準ケースでは、予測期間中は石油と天然ガスの高値が続くため、再生可能の燃料の開発が促進される。環境的に好ましい再生可能エネルギーは、二酸化炭素の排出削減を推進している国で特に著しい。国が政策的に再生可能なエネルギー源で発電を行うことを計画しているところでは、経済的に化石燃料に競合できなくても、再生可能エネルギーの開発が促進されることが考えられる。
OECD非加盟国で再生可能エネルギーの利用が増えるのは中ないし大規模の水力発電が増えるためで、アジアと中南米の諸国では水力発電の新設が増えている。OECD諸国では風力とバイオマスを利用した水力以外の再生可能発電が期待される。
世界の二酸化炭素排出量は着実に増えて、2005年の281億トン、2015年の343億トンから2030年には423億トンになる。増加量の多くが、高度の経済成長が続き化石燃料への依存度が高いOECD非加盟国によるものである。2005年には非加盟国の排出量が加盟国の排出量を7%上回った。2,030年にはこれが72%になると予想される。

  

2008/6/25 水曜日

グリーン発電への挑戦

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 22:02:10

”世界のバイオマス関連セレクション”グリーン発電への挑戦
A Green Coal Baron?
New York Times June 22, 2008
http://www.nytimes.com/2008/06/22/magazine/22Rogers-t.html?_r=1&ref=science&oref=slogin/

年間1億トンの二酸化炭素を排出し、国内3位の温室効果ガス排出企業のDuke EnergyのCEOであるJim Rogersは排出規制の先頭に立っている。最近数年間は議会に対して、企業の負担増になる排出の上限を定める法律作りを働きかけてきた。2050年までに排出を70%減らすことを目標にしたキャップアンドトレード法案(Lieberman-Warner法案)は先般否決されたが、新大統領就任後に再提出される。ほかにも同様の法案が6件提出されており、いずれは上限が法的に定められる。
似たような前例である80年代末の酸性雨対策では、キャップアンドトレードで高い成果をあげた。酸性雨の次に二酸化炭素対策をするのが、どれだけ難しいか想像もつかないが、Rogersの説明では2030年には二酸化炭素の排出量をいまの半分にすることができるそうである。これが実現できれば、2050年までに排出を70%減らすことを求めるLieberman-Warner法にも、ほかのどんな規制にも対応できることだろう。

  

2008/6/24 火曜日

休耕農地を活用したバイオエネルギーの生産

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 12:17:20

”世界のバイオマス関連セレクション”休耕農地を活用したバイオエネルギーの生産
Abandoned Farmlands Are Key To Sustainable Bioenergy
ScienceDaily June 24, 2008
http://www.sciencedaily.com/releases/2008/06/080623113722.htm

カーネギー協会 (Carnegie Institution) とスタンフォード大学の共同研究で、バイオ燃料は世界のエネルギーの将来において、再生可能エネルギーの領域で重要な役割があることが明らかになった。放置された休耕農地や荒廃した農地を利用した場合には、役割が特に大きい。農作物栽培好適地や新たな開拓地ではないこれらの土地は、食糧生産を妨げることも、気候変動の緩和に必要な二酸化炭素の重要な保存源である森を破壊することもない。

北アメリカ、ヨーロッパ、アジアのエネルギー集約経済社会で、再生可能なエネルギーが需要の10%以上を充足できる見通しはないが、サハラ以南のアフリカなど一部の途上国では、食糧供給への悪影響や森林破壊を伴なうことなく、それ以上の比率でエネルギー需要を満たすことができる可能性がある。
カーネギー協会グローバル生態部門を統括するChristopher Fieldは、「われわれの研究では、保全性の高いバイオエネルギーを開発できる潜在性が高いことがわかった。また食の安全と気候に影響を与えずにエネルギー用のバイオマスを生産できる地域も確認できた。しかし今後数十年のあいだに、世界のエネルギーシステムのなかでバイオエネルギーが主要な立場を占めることは考えられない。バイオマスが限界を超えてエネルギー原料として使われるようになると、食の安全が危ぶまれ、環境にも重要な影響を与えるようになる」 と語った。

  

2008/6/23 月曜日

地球温暖化による米国の気候変動予測

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 10:06:23

”世界のバイオマス関連セレクション”地球温暖化による米国の気候変動予測
Expect More Droughts, Heavy Downpours, Excessive Heat, And Intense Hurricanes Due To Global Warming, NOAA
ScienceDaily June 20, 2008
http://www.sciencedaily.com/releases/2008/06/080619175522.htm/

U.S. Climate Change Science Program とGlobal Change Research小委員会が、アメリカ各地の気象、気候変動に関する初の評価報告書を公表した。世界を対象にした同様の報告は、かつてIPCCが行っているが、地域をアメリカに限定した報告は今回が初めてである。報告書は最近50年の地球温暖化は、主として人間活動による温室効果ガスの増加によるものであると指摘している。この期間に多くの種類の異常気象と気候イベントの変化が起きており、太平洋、大西洋岸とも、冬の嵐による風と波はこれまで以上に強くなる。今世紀末までも下に特記するような状態が続くことが予想される。
・熱波を伴う異常高温が昼夜とも普通になり、低温の夜は減る。
・海氷の広がりが小さくなり、北極海では下記の海氷が観測されなくなることもある。
・平均的な降水は、頻度は減るが一回の降水量が増える。
・干ばつの頻度が増え、地域によっては激しい干ばつがある。
・ハリケーンに伴う降雨量と風の強度が強くなる。
報告書Weather and Climate Extremes in a Changing Climate (CCSP 3.3) はオンラインで入手できる。

available online

  

石油不足に関するブッシュ大統領の新提案

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 9:31:07

”世界のバイオマス関連セレクション”石油不足に関するブッシュ大統領の新提案
Oil Crunch Trumping Climate Concerns?
New York Times June 18, 2008
http://dotearth.blogs.nytimes.com/2008/06/18/oil-crunch-trumping-climate-concerns/

ローズガーデン 6月18日東部夏時間10時30分に行われたエネルギーに関する大統領演説では車の燃費標準の引き上げと、社会の石油依存度を下げるための技術開発の促進についても簡単に触れた。しかし演説の重点は燃料の消費を減らすことよりも、海底油田の開発、オイルシェール (oil shale、油頁岩) の利用、北極圏野生生物保護区における掘削、精製能力を強化する等以下の4つだった。
1)連邦大陸棚 (outer continental shelf, OCS) の開発。専門家の試算では、OCS には現状の約10年間分に相当する180億バレルの埋蔵量がある。
2)大きな可能性を秘めたオイルシェールへの取り組み。全量使い果たすとすると、現在想定される石油輸入量の100年分以上を賄うことができる。
3)北極圏野生生物保護区 (Arctic National Wildlife Refuge, ANWR) の探査を認可すること
4)国内の石油精製能力の強化
New York Timesの 記事には、大統領演説に対する読者からの賛否両論の意見が掲載されている。

  

2008/6/19 木曜日

バイオ燃料と道徳律

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 9:07:50

”世界のバイオマス関連セレクション”バイオ燃料と道徳律
On biofuels, we have to make a moral choice
Guardian June 11, 2008
http://www.guardian.co.uk/environment/2008/jun/11/biofuels/print

エネルギー原料として植物を使うことは、理論的には優れた発想である。ただしそれは、全工程サイクルのなかでエネルギー効率が最大限で、無駄が最小限になる場合に限る。しかもそれをできる限り早く達成しなくてはならない。
それにしても10年以内にEUの自動車燃料の10%をバイオ燃料にするという目標は現実的でない。それは需要が急激に増えるため穀物の値段は上がり、森や草地に農地が広がり、貴重な野生生物の生存環境を破壊し、貯留されていた二酸化炭素を大気中に排出するなどの好ましくない影響を伴うものである。生産性の改善で目標の達成が可能とする主張は、予想される結果とはきわめてかけ離れたものである。相場の操作に関しては、これは国際的な穀物市場の問題であって、実施しようとしたらWTOやヨーロッパ委員会などからの厳しい反対が出ることが容易に予想できる。今週はEUが政策を再検討できる最後の機会である。

  

世界のバイオマスエネルギーの限界

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 8:59:42

”世界のバイオマス関連セレクション”世界のバイオマスエネルギーの限界
Global Limits of Biomass Energy
ScienceDaily June 14, 2008
http://www.sciencedaily.com/releases/2008/06/080611181214.htm

Trends in Ecology and Evolution 2月号にGlobal Ecology部門の責任者Chris Fieldが、バイオマスエネルギーについて冷静な観察を発表した。それによるとバイオマスには、カーボンニュートラルであることを中心に多くの利点もあるが、エネルギー需要の充足という面では限界があることを明らかにしている。たとえば、世界の全農耕地が固定する二酸化炭素の量が約70億トンであるのに対して、化石燃料が排出する二酸化炭素の量はこれを上回る77億トンである。バイオマスエネルギーがネットの温暖化を減らし、かつ食糧生産との競合を避けられる面積部分で可能性が高いのは、現在は使われなくなった旧農耕地のうち、山林、放牧あるいは住宅地に転換されていない部分で、この条件に該当する土地は、世界で150万平方マイルある。現実的にここで生産したエネルギー穀物が産出できるエネルギー量は、27 x 1018 ジュール (27 exajoule) になる。これは大変な量のエネルギーで、原油に換算すれば1億7,200万バレルに相当する。しかしそれでもバイオマスが産出するエネルギーは、世界のエネルギー需要の5%にしかならない。研究は結論として、バイオマスエネルギーには、対応を誤らず環境を侵さずにある規模まで発展すれば、エネルギーの独立を推進し、健全な農業経済を支え、気候変動の進行を抑制することができる、魅力的な機会があるとまとめている。しかしその規模がある限度を越えると、食の安全を脅かし、気候変動を推進する危険があることも指摘している。

  

木が音も立てずに倒れたら 気候変動のせいか

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 8:52:57

”世界のバイオマス関連セレクション”木が音も立てずに倒れたら 気候変動のせいか
If A Tree Falls In The Forest, And No One Is Around To Hear It, Does Climate Change?
ScienceDaily June 13, 2008

http://www.sciencedaily.com/releases/2008/06/080612171111.htm

地球上の陸地の3分の1弱、約4,200万平方キロは森である。その森は地球の温暖化を弱めるのと、強めるのとの両面の役割を持っている。Science誌の森林生態学特集号で、国立科学財団大気圏研究センターの大気科学者Gordon Bonanが、気候に対する森の役割の現状について報告している。森の活力とそれを支える周囲の物理的な構造は、太陽エネルギーと、大気と、水と、二酸化炭素と、そして人間活動に支えられ、影響されて活きている。これらの複雑な相互関係が、地球の温度を支配する方程式の解を上方あるいは下方に修正しているのである。Bonanはこう語った。「われわれは気候に与える森の多様な影響を、ネガティブとポジティブ両面のフィードバックの面からもっと解明し、これらが気候を変動させているかをもっと理解する必要がある。それができてはじめて気候変動を和らげる森の役割が、具体的に分かるようになる。

  

2008/6/16 月曜日

よく機能しているEUの排出権取引制度

カテゴリー: SanoReport   by k-bets editor1 @ 10:43:11

”世界のバイオマス関連セレクション”よく機能しているEUの排出権取引制度
European System For Cutting Carbon Dioxide Emissions Is Working Well
ScienceDaily June 12, 2008

http://www.sciencedaily.com/releases/2008/06/080610154749.htm
EUには世界最大規模の排出権取引制度の運用と排出量の上限設定では、すでに3年の実績がある。MITが行った分析によると、キャップアンドトレードシステムの実施を急ぎすぎたために発足当初にはいろいろ問題があった。しかしEU経済に実質的な悪影響をもたらすことなく、順調に運用されているといってよい。二酸化炭素の排出をキャップアンドトレードでコントロールするという考え方は、前例がほとんどない。現在EU ETSは、すべての面でアメリカに比べて計画規模がはるかに大きい。アメリカの二酸化硫黄の観測地点が3,000あるのに対して、EUは11,000を数える。予算規模もアメリカが40億ドル、EUは800億ドルである。ETSが第一段階を終わり以下のような教訓が得られた。
1)排出の削減は3年間の試行期間の主目的ではなかったが、実際にはマクロ経済にはほとんど影響を与えずに、二酸化炭素の排出は減った。
2)EU ETSの3年の期間内に、ある年の認可量を翌年に繰り越したり、翌年の認可量を今年に前取りしたりするのを認めることである。
3)市場のスムーズな運営と排出の削減目標を達成するためには、信頼できるデータを揃えることとコミュニケーションのよさが重要なこと
4)排出許可量の割り当て方法には議論の余地が多く残っており、キャップアンドトレード方式は二酸化炭素の排出削減には、いまだに多分に政治性が高い方法であることが明らかになったこと。キャップアンドトレードシステムの優れた点の一つは、排出を減らせば割り当て許可の売却利益が増えることになる仕組みである。
EU ETSは基本的に中央による集中管理だが、各国の上限、許可証の発行、取引の統括と監視などはそれぞれに権限を委譲している。Ellermanは、20年、30年後にも排出権問題が議論されるだろうが、そのときにもEUの試みは、地球規模の気候変動対策の基本的アーキテクチャとして残っているだろうと語った。