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バイオマスについて

  • コラムバイオマスについて
    技術者のプロの目線で

バイオマス(化石資源ではない、現生生物体構成物質起源の産業資源)について

バイオ燃料の輸送用燃料実用化に向けて

自動車のイメージ自動車は完成度の非常に高い商品と言われていますが、実は早急に解決しなくてはならない、重大な問題を抱えているのです。云うまでもなく「安全」と「環境」です。日本だけで年間6千名強の方が自動車事故で亡くなっています。もう一つは、人ひとりを運ぶために使用するエネルギーの効率が、他の交通機関に比べてあまりにも悪いという問題です。鉄道の約12倍の燃料を必要とします。エネルギー効率を抜本的に改善するために世界中の自動車会社が懸命な取り組みをしています。しかしながら、世界で使用されている自動車の台数は約7億台であることを考えると、仮に今すぐ抜本的に効率の良い自動車が実用化されたとしても、環境に好影響を与えるだけの台数が入れ替わるには何年かかるでしょうか。それまで地球が持つでしょうか。

現在の自動車にそのまま、あるいは小改造で使えるバイオ燃料が開発されれば、大変好都合です。

そんな理由から、このところ急激に自動車用燃料としてバイオマスを活用しようという動きが一気に拡がってきました。現在、代表的なバイオ燃料として取り上げられているのがエタノールとバイオ・ディーゼル・フューエル(BDF)です。

ところが、その影響を受けて、深刻な弊害も一気に顕在化してきました。
代表的なものが、「森林破壊」と「食料価格の上昇」、「総合収支でCO2が本当に減るのか」です。残念ながら投機筋の暗躍や業界の既得権、官庁の縦割り行政などの影響で、本当のところが非常にわかりにくくなっているのが現状です。また、これらバイオ燃料の生産、製造過程でのエネルギーの消費量や炭酸ガスの発生量も必ずしも明らかになっておらず、一歩間違えるとかえって炭酸ガスの排出量が増えてしまうという間違いを犯す危険性もあるのです。

バイオ燃料のイメージ私たちは信頼できる正確なデーターを集めて計算をしたり、自然科学の原理原則にしたがって、素直で客観的な判断を行い「本当のところ」を明らかにしようと努力しています。そして、「折角のバイオ燃料が正しく活用される」ような、はたらきかけを行います。
この結果、森林破壊をしない前提であればサトウキビ由来のブラジル製のエタノールは善、トウモロコシ由来のアメリカ製エタノールは悪と結論づけました。
エタノールの利用法としては、将来のイソブチレンの供給能力や製造コストの点を考慮して、ETBEではなく、直接混入方式を支持しました。
また、バイオ由来のDMEの将来性には合成ガスからDMEに変換する時のエネルギーロスの点から否定的な見解を表明しました。

今後も技術者の素直な目を頼りに、折角のバイオ燃料の活用が技術的にも正しい方向に向かうよう、情報発信、と意見具申を続けてゆきます。