バイオマス(化石資源ではない、現生生物体構成物質起源の産業資源)について
間伐材などの有効利用で森林再生とエネルギー問題の両立を
日本は資源の少ない国ですが、国土の7割が森林で覆われ温暖な気候と豊富な降雨のお陰で年間成長量は約7千万立方米といわれ、国土面積に対する資源量では世界有数の森林国です。
昔は貴重なエネルギー源として薪や炭などが日常的に利用されていました。
「おじいさんは山へ柴刈に・・・」で始まる昔ばなしや二宮金次郎が背負子に乗せているのはやはり柴です。
戦後政府の指導で植えられたスギやヒノキなどの山林はその後、内外価格差の為採算が合わずその大部分が放置されてきました。
今その内外価格差が世界的需給逼迫の為再逆転し、国内材に注目が集まりつつあります。
しかし建築用材はまだしも、間伐材や用材に適さない木についてはコスト的な問題で、林地に放置されたままというのが実情です。
長い間の営林空白期間のため林業人口も大幅に減少し林業再生に必要な人材も足りません。
林業の難しさは、育林や収穫のサイクルが農業などと比較しても大変息の長いもので30年から数百年に及ぶこと、社会情勢の変化に翻弄されやすいことで、また山野に棲む動物や植物の生態系をどうやって維持し共存していくか、など大きな課題を背負っています。
林業国といわれる外国の事例を見てみると、これらの事柄に上手に対処しながら、一貫して営々と事業が継続され、その結果得られる間伐材や曲がり材など用材にならない資源も地域における有効なエネルギー源として活用されています。
国内産の建築用材は現在、国内需要の20%程度で、残りは全て輸入材です。
林業の復活を支援しながら、石油など世界的な需給がタイトになり高騰している地下資源問題と、炭酸ガス増加に伴う地球環境問題を解決する方法のひとつとして、日本に豊富に存在するこれらのクリーンな未利用資源を「地産地消」を基本理念として、有効に活用出来ないかというのが私たちの出発点です。
人件費が高く、急峻な山地での林業再生に私たちが培ってきた広範な分野での現場力・技術力を活用し、何とかお役に立ちたいということです。
取り組み項目は以下の通りです。
- 間伐材など未利用材のコストダウンを実現する搬出方法
- 日本の林業事情や地形に合った安くて使いやすい林業機械の開発
- 搬出した資源を利用しやすいエネルギーへ変換する技術
具体的な方法は研究中ですが、例えば高性能な飛行船を使った間伐と搬出、枝打ち機や草刈機、植栽機など省人化に役立つ安価な各種ロボットの開発、山中で済ませてしまうチップ化・ペレット化、簡易な木材乾燥システム、山中での無人搬送システムなど高度技術の活用、出来たペレットなど製品の付加価値を高める利用技術の高度化、製品流通機能の高度化、など川上から川下までの一貫したシステムの構築です。
利益が出ず、企業が乗り出しにくい事業であることと、今ある技術やシステムを有効に組み合わせ実用化するのが工学だとすればまさに私たちの使命として取り組みたい分野です。
未だ始まったばかりですが人脈を活用し自治体や林業専門家の方々、関係企業との連携を図りながら可能な限りスピーディに実行していきたいと考えております。
