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バイオマスの定義とその存在意義について

  • バイオマスとは / シロアリ / / 木材 / 液体燃料 / 気体燃料
  • バイオマスとは

    バイオマスは光合成によってつくり出される生物由来の資源で、生態系を形作る有機物すべてが対象になります。石油や石炭などの化石資源には限りがありますが、バイオマスは太陽と水と炭酸ガスそして植物がある限り永遠につくり続けることが出来ます。

    カーボンニュートラルとは...バイオマスは有機物であるから燃焼させるとCO<sub>2</sub>が排出される。バイオマスの中の炭素はその成長過程で光合成で
大気から吸収している。そのためバイオマスを使用しても大気中のCO<sub>2</sub>を増加させてないと考えられる。

    光合成によってつくりだされるバイオマスをエネルギーに換算すると、世界人類が使用している全エネルギーの8~10倍もあります。ところが、地球上に薄く広く存在しているためにエネルギーを取り出すことが容易ではありません。また石油や石炭などに比べてエネルギー密度が低く単位当たり発熱量が小さいため使い勝手が悪くて今までは注目されませんでした。
    ところが最近になって地球温暖化の大きな原因が2酸化炭素など温室効果ガスの排出であることが分かってきました。排出量を抑えるための一つとしてカーボンニュートラルなバイオマスを燃料にしようとする動きが加速しています。
    バイオマスは、サトウキビに代表される「資源作物」、流通やコストなどの問題ではじかれた「未利用なバイオマス」、利活用されてきてがその使命が終わってしまった「廃棄物系バイオマス」に分類されます。

    資源作物サトウキビ、トウモロコシ、パームヤシ、米、藻など
    未利用バイオマス間伐材、稲わら、搾りかす(サトウキビやトウモロコシ)など
    廃棄系バイオマス生ゴミ、廃食油、剪定枝、廃木材、家畜のし尿、下水汚泥

    エネルギーとして利用しやすい形に変換する必要があり、その代表的な変換方法が「発酵」、「ガス化」、「発電」、「固形」などのプロセスです。
    どのようなバイオマスに注目し、どのような変換方法で活用するか、世界中の科学技術者が懸命に取り組んでいます。興味深い研究が着々と進んでいます。

    利用形態主なバイオマス原料用途
    直接燃焼木質系、各種廃棄物発電、熱利用
    混焼木質系、農業残渣発電
    ガス化木質系、各種廃棄物ガス燃料、発電
    炭化木質系炭、土壌改良材
    エステル化植物油脂バイオディーゼル燃料
    メタン発酵農業畜産残渣、生ゴミガス燃料
    エタノールとうもろこし、さとうきび他バイオガソリン燃料
    堆肥化農業畜産残渣、生ゴミ堆肥、肥料

    詳細な情報は毎年発行されているバイオマス白書にまとめられています。
    http:www.npobin.net/hakusho/2012/

    シロアリ

    現在、世界で最も大量に利用されているのがサトウキビとトウモロコシですが、大規模な耕作を必要とするために森林が破壊されたり、食料の値上がりを招いたりといった問題を抱えています(食糧との競合)。 そこで注目を集めているのが廃木材や稲わら、サトウキビの茎や葉などの「未利用バイオマス」です。未利用バイオマスの課題はセルローズやリグニンといった、硬くて丈夫な細胞組織を如何にして糖化して発酵させることが出来るかという問題です。そこで注目されたのが「シロアリ」です。白アリは木材を食べ、消化し、栄養にしています。白アリが体内に宿している特殊な微生物が固いセルローズを分解します。遺伝子工学を応用する研究のベースはここにあります。そのプロセスを解明して遺伝子に仕掛けを作ることが求められています。牛の胃袋の内部に潜む微生物でも同様な側面から期待されています。

    最初地球上に現れた生物は水中で育つ藻類です。陸上植物よりも光合成の効率が良く、成長速度が10倍もあるという藻の存在が脚光を浴びています。特殊な成分を含有するため健康食品に利用されているものや油を直接生成する藻なども発見されています。
    ただ生育環境、水温―水のPH―必要炭酸ガス濃度―日照条件―培養液の汚染防止など、管理項目がたくさんあり環境を整えた上で、どんなコストで生産できるかがポイントになります。
    現在日本では遊休地がたくさんあるのでこれらを利用して藻の栽培を進めようという動きもあります。

    木材

    地球上に存在するバイオマスの中で圧倒的な量を占めるものは木材であります。木材をエネルギーに変換する主要物質はその中の炭素成分です。
    エネルギーの使い方として一度電気にしてから(変換率20~30%)冷暖房機やヒーターで熱にするのは変換効率の点から問題です。欧州では木材を伝統的な薪や、加工したチップやペレットの形で直接燃焼し、ストーブやボイラーで95%以上の燃焼効率を得ています。酸素を制御して完全燃焼を達成する技術開発が進んだからです。
    木材の本体は建築資材や家具として、更には製紙用のチップとして活用した後、間伐材や端材は捨ててしまうのではなくエネルギーに活用できれば全部が利用でき、林業復活のキッカケになります。

    液体燃料

    [バイオ燃料]と呼ぶとこの分野を指すことが多い。バイオマスを発酵処理して自動車用の燃料として使用しています。代表的なバイオエタノールとバイオディーゼル油については「バイオ燃料」の項目で説明していますので参照ください。車により使い易いバイオブタノールや飛行機のジェットエンジンに使われるドロップイン燃料の実用化も進んでいます。

    気体燃料

    下水汚泥、家畜糞尿、食品廃棄物などからメタン発酵によりメタンガスが得られている。このガスの高温水蒸気による改質で得られる水素は燃焼した後水になるだけの環境に理想的な燃料です。
    直接ガソリンスタンドで販売するほか燃料電池としての活用が広がっています。
    木材などのバイオマスをまず燃焼して発生した炭酸ガスを高温の炭素が堆積している還元層に誘導します。ここで行われる還元反応によってCOとHガスが生成されます。熱分解ガスと呼ばれるもので反応が1000℃以上の高温だとタールも発生しません。現在K-BETSが考えているのはこの種の高カロリーガスを燃料として小型発電機に供給し、電力を得ようとする試みです。ここで発生する水素を燃料電池に活用することもでます。