現在の位置 : ホーム  >   K-BETS活動ファイル  >   林業再生支援

バイオマスエネルギーを推進するK-BETSの活動ファイル

間伐材などの有効利用で森林再生とエネルギー問題の両立を

森林日本の森林面積2,500万ha、蓄積木材量50億m³ と世界トップクラスの資源量をもっている。その内の人工林面積は1,000万haあり、ここでの木材成長量は 1億m³ /年以上あるとみられている。一方国内の木材需要は 8,600万m³ あるが自給率は約20%で安い輸入材に頼ってきているのが現状である。
戦後国の政策で植林された針葉樹が50余年を経過して育っているが林業が産業として成り立たなかったため問題を抱えている。森林の管理が放置されてしまったことと細々と林業を守り続けてきた人々の高齢化の問題である。一方地球温暖化等環境面からの制約で世界的に森林資源の見直しが行われ、木材の輸入が困難な状況になってきている。
この状況を改善しようと民主党政権になってから政府の「森林・林業の再生プラン」が動き出している。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/plan/index.html
平成21年12月に農林水産省が制定したもので具体的な方向としては路網の整備、林業機械の導入、林業施業の集約化、必要な人材育成などを通して10年後の木材自給率を50%以上にすることを目標にしている。(現状24%)
自給率が低い原因は生産能力の差にある。欧州の木材生産能力は2,000m³ /年人あるのに対して日本はその1/20程度の能力である。
この差は主として林道の整備と生産機械導入での、林業近代化遅れによって発生している。

K-BETSの取り組み

国の林業再生プランは欧州方式をベースに木材収集・運搬作業を合理化しようとするものである。しかし設備投資を伴うもので補助金のバックアップ無しでは採算性に問題がある。複雑な日本の地形や様々な林地に合った、安価で安全な方式でないと広い国土に展開するには困難であると見ている。現有道路網を最大に生かして次の取り組みを林業の現場に導入できるようK-BETSは目指している。
(1)チェーンループを用いた安価な木材の収集方法・・・Kシステムの開発
(2)木質バイオマスのエネルギー利用を徹底する
主要部分は資源として使うものの現地残材として捨てられている部分を積極的にエネルギー転換する。これらの資源は輸送するにもエネルギーを要するので地産・地消を前提として考える。熱利用と同時にバイオマスをガス化しガス発電に結び付ける。地域での集材能力から小規模発電を前提とするので燃料変換効率は低い。この発電を実現するには熱電併給(コジェネ)方式が絶対条件であり熱をどんな形態で利用するか調査・検討している。
(3)バイオエネルギー一貫システムの確立
山林から安いコストで木質バイオマスを集材して、主要部分を市場に供給する。
市場で利用できない短材・不良材は熱や電気のエネルギーに転換し全体を総合利用する一貫システムを作り上げる。これらは各地域にある製材所を中核として位置付けて実践し全国に展開していく。木材乾燥に石油を使うようなことは止めていく。
参考資料「健全な森林とバイオマスエネルギー(healthy_forest_and_biomass.pdf)

K-BETSのキー技術

(1)木材の収集Kシステム
伐採現場一帯にチェーンロープを使った回転ループを張り巡らせる。荷は引き上げ又は引き落としの一方向とし、カラビナに引っ掛けてループに乗せる。木材はチェーンソーで伐採し、ループの近くまで専用のボートウィンチで引っ張ってくる。上部に設置した動力源にてループを駆動し荷を移動させる。ループ長は連結環によりチェーン長さを伸縮自在に調整できる。鎖は自由に形を変えるので木や地面に食い込むことがなく滑らかに移動できる。設備費用が安く、移動速度が低く安全な作業が可能になる。概要は「K木寄せ概要(k_system_outline.pdf)」に、詳細説明は「K式木寄せシステム(k_system_details.pdf)」を参照ください。
(2)超高温水蒸気ガス化炉
NFK社が開発中のガス化炉。特徴はセラミックハニカムを使った特殊ガス化炉で1000℃を超える高温での反応を利用したタールの無い、クリーンで高カロリーなガスの生成に成功したことである。炉も小型コンパクトで運搬が可能である。詳細は「超高温水蒸気ガス化PR資料(high_temperature_steam_gas_PR.pdf)」を参照ください。

カスケード利用を徹底する

かつて高級木材を建築の柱や床の間に利用し高価な取引が行われていたが安い輸入材による価格破壊と建築様式の変化で成立しなくなった。魚のマグロからサシミの部分だけを取り出すのではなく全体を全て利用し尽す木材のカスケード利用方式が林業の収益改善に必要なことである。最良部は建築用材に、やや落ちるものは集積材として利用する。次のクラスはボード類や製紙用のチップにする。その後に残る残材は電力や熱にしてエネルギー利用する。
K-BETSが注目しているのは間伐材や端材を放置するのではなくエネルギーとして活用していく道を開くことである。そのために技術的に開発すべきアイテムがたくさんあり専業の皆様と歩調を合わせて取り組みたい。現在再生可能エネルギーの電力固定価格買取制度が法案が成立し2012年7月から実行されている。木質バイオマスに関しては次の価格が設定されている。税込価格で買い取る表示は税抜きで示す。未利用木材利用の発電32円/kwh、製材所から出る端材や輸入木材などの一般材24円/kwh、建築廃材などリサイクル木材からの発電13円/kwhである。木材を高い運搬コストを支払って広域から集めるのはエネルギー収支からみて成立しないので市町村単位の地産地消型で建設し、熱を有効に活用するコジェネレシステムを採用した100~500kw相当の発電所規模が最適と考える。しかし計画中の発電所は1万kwとか数千kwと大規模な発電所の建設計画が目立ち材料の獲得や発電効率から考えて疑問に思う。

間伐の必要性

間伐密集した木が育ってくると地表面に太陽光線を遮り、太陽からエネルギーをもらって活動していた動植物が死滅してしまうことになる。これが地表面の劣化を引き起こし、地球温暖化により荒れ狂うようになった竜巻や豪雨の攻撃に耐え切れず土壌崩壊を引き起こす原因になっている。
地面に太陽が降り注ぐ条件を作ってやれば雑草や小木が生育し、微生物や昆虫が住める世界が戻ってくる。このような本来の姿に戻れば土壌が豊かになり木の根が奥深く張り込み大きな木に成長する。
大径木を育てるためには10年ごとに育てるべき木の周囲を空ける間伐作業が必須条件である。

木質バイオマスからどのくらいのエネルギーが得られるか

日本の人工林の年間成長量は1億m³ を超えるものと推定し、これをエネルギーに換算すると日本で使用されている一次エネルギーの約5%に相当する。
石油に換算すると1500万トンに当たる。
現在林地残材として放置されている量は2000万トン/年と見られている。これを活用するだけで300万トンの輸入を減らすことができる。
燃焼排ガスには亜硫酸ガスのような環境に害を与える物質は含まれないし炭酸ガスを増やすことも無く地球にやさしい燃料である。太陽光発電は夜間や雨や曇り空のときは発電ができない。太陽光発電ができない時や夜間のバックアップをバイオマス発電で補うことは可能で調整エネルギーの役割も期待できる。

ドイツの最大雇用創出産業は山林・木材関連業

林業先進国ドイツの例を見ると人工林の面積は日本とほぼ同程度であるが丸太の生産量は4倍強である。
作業道網を根気よく拡大し、作業機械を導入して生産コストを下げてきた。
山林現場から住宅、家具製造に至るまでの木材関連雇用数は約100万人、自動車産業の77万人をはるかに越える業界になっている。
再生可能エネルギーとして木材の使用が活発(1次エネルギーの4%)で薪、チップ、ペレットなどの形でスト-ブやボイラーに供給され熱や発電にまで利用されている。

優秀な日本の人材を育成して取り組めばこのような産業に育て上げることは可能でありこのレベルまで日本の林業をアップするのがK-BETSの夢である。